【12月15日 AFP】米製薬大手ファイザー(Pfizer)は14日、同社が開発した新型コロナウイルス感染症の経口治療薬「パクスロビド(Paxlovid)」について、重症化リスクが高い人の入院や死亡を90%近く減少させることが臨床試験(治験)の最終結果で確認されたと発表した。変異株「オミクロン株」にも効果があるとみられている。

 同薬を認可している国はまだない。最終結果は、重症化の恐れが高い成人2200人以上を対象に実施された治験に基づいたもので、先月発表された暫定結果を裏付ける形となった。

 入院リスクは、発症後3日以内に投与した場合は89%減少、5日以内では88%減少した。偽薬を投与したグループでは12人が死亡したが、同薬を投与したグループでは死亡者は出なかった。副作用が出たのは同薬投与グループで23%、偽薬グループで24%とほぼ同等の割合で、大半が軽度だった。

 重症化リスクが標準的な人々を対象にした試験でも有望な結果が得られているが、試験はまだ継続中という。また、これとは別に実験室で行われた試験では、オミクロン株にも効果があるとの結果が得られたとされる。(c)AFP/Issam AHMED with Claire DOYEN in Johannesburg