米、新疆綿の輸入阻止へ 「奴隷労働で生産」と断定
このニュースをシェア
【12月4日 AFP】米国は、中国の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の綿は「奴隷労働」により生産されているとして、新彊綿の輸入を阻止すると発表した。
中国政府は資源が豊富な同自治区における政策をめぐり、国際社会から厳しい批判を受けている。合わせて100万人ものウイグル人などイスラム系少数民族が強制収容所に拘束されていると、複数の人権団体が指摘している。
米国が今回新たに導入する規制により、準軍事組織「新疆生産建設兵団(Xinjiang Production and Construction Corps、通称:兵団、Bingtuan)」が生産した綿を含む貨物を留め置く権限が、米税関・国境警備局(CBP)に与えられる。兵団は、すでに財務省の制裁対象となっている。
米国土安全保障省のケン・クチネリ(Ken Cuccinelli)氏は2日、「中国の共産主義政府によって行われている人権侵害を、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領と米国民は決して容認しない」と断言。
さらに「わが省は、米国企業を含む人権侵害の加害者らが、奴隷労働から利益を得るために米国の制度を操ることのないよう、率先して法の執行に当たっている」と述べた。
これを受けて中国政府は、米国が「強制労働などというフェイクニュース」を広め、「新疆の企業を圧迫」しようとしていると非難した。
中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は3日、新彊ウイグル自治区内の労働者らは「自らの希望に基づいて職業を選択」しており、同自治区内にはいかなる強制労働もないと否定した。
新疆は綿の世界的な生産地。ある労働団体の調査で、米国に輸入された衣類のうち、わずかなりとも同自治区の綿を含むものが約20%に上ると推算されている。(c)AFP