【12月2日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席のポスターにインクをかける様子を配信した活動家の女性が先月30日、ツイッター(Twitter)に動画を投稿し、当局からの厳しい監視を受けており、「心が崩壊寸前」だと涙ながらに訴えた。

 習氏は2012年に最高指導者に就任して以来、自身を個人崇拝の中心に据え、活動家や反対勢力からの批判を厳しく抑え込んできた。

 活動家のドン・ヤオチョン(Dong Yaoqiong)さん(31)は2018年、上海中心部で習主席のポスターにインクをまき散らす様子をライブ配信した。動画の再生回数は、ツイッター上で数万回に上った。

 ドンさんは、以来初めて沈黙を破って新たな動画を投稿。収容されていた精神科病院を今年退院し、地方自治体での仕事に就かされていると明かした。

 涙ぐんだドンさんはこの動画の中で、移動や連絡を取れる人が当局に厳しく制限されていると述べ、「死んだ方がまし。この息が詰まる監視にはもう耐えられない。多分私の心は崩壊寸前」だと語った。

「自分自身の自由、仕事を選ぶ自由、友達を選ぶ自由のために頑張りたいのに。今は一切自由がなく、全て制限されている」と訴えたドンさんは「ただ聞きたい、私のしたことの何が悪かったのか? 私は罪を犯したのか?」と問い掛けた。

 ドンさんと定期的に連絡を取っている活動家によると、動画を公開した翌日の朝に当局者らがドンさんの元を訪れ、後にこの動画は削除されたという。AFPはドンさんにコメントを求めたが、回答は得られていない。(c)AFP