新型ウイルス、感染予防具の備蓄急減 無症状感染者はわずか1% WHO
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【3月4日 AFP】世界保健機関(WHO)は3日、新型コロナウイルスの感染の仕方について理解が急速に深まっている一方、感染予防の防護具の備蓄が急速に減っていると警告した。
また新型コロナウイルス感染症と比較されることが多いインフルエンザは無症状の感染者からも容易に感染が広がるのに対し、中国のデータでは新型コロナウイルス感染者のうち無症状だったのはわずか1%だったとして、新型コロナウイルス感染症は「抑制が可能」だと述べた。
WHOは、医療従事者が使用するマスクやゴーグルなどの防護具が、買い占めや市場操作を受けて品薄になっていると懸念を表明。外科用マスクの値段は6倍に、人工呼吸器の値段は3倍に高騰したという。
テドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)WHO事務局長は、「医療従事者を守らずしてCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)を食い止めることはできない」と指摘。
テドロス氏はさらに、WHOは個人防護具(PPE)50万セット以上を世界27か国に送ったが、「備蓄が急激に減っている」と述べ、生産スピードを劇的に速めるよう強く求めた。WHOは、新型ウイルス対策で医療用マスク8900万枚、医療用手袋(検査検診用グローブ)7600万組、ゴーグル160万個が毎月必要だとみている。
公式統計に基づいてAFPがまとめた最新のデータによると、新型ウイルスによって世界77か国・地域で3100人以上が死亡、9万2000人以上が感染した。
テドロス氏はまた、「感染しやすい人はもっといるだろうし、深刻な病に苦しむ人もいるだろう。世界的に見て、COVID-19患者のうち約3.4%が死亡している」「一方、季節性インフルエンザで死亡する人はおおむね感染者の1%をはるかに下回る」と述べ、インフルエンザと比べられることが多いCOVID-19は、インフルエンザよりはるかに致命的だと強調した。
さらに、長い歳月をかけて多くの人が季節性インフルエンザに対する免疫力を高めてきたが、新型コロナウイルスに対しては「誰も免疫を持っていない」と指摘した。
テドロス氏はさらに、インフルエンザは無症状の感染者からも感染が拡大しやすいが、中国では「報告された感染者のうち無症状だったのはわずか1%だった」として、新型コロナウイルス感染症はインフルエンザほど簡単に感染が広がらず、「抑制が可能」だと述べた。(c)AFP