T・レックスの近縁恐竜「死に神」 カナダで化石発見
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【2月11日 AFP】ティラノサウルス・レックス(T・レックス、Tyrannosaurus rex)と近縁関係にある新種の恐竜を発見したとの研究結果が10日、発表された。この新種の恐竜は、約8000万年前に北米大陸の平原地帯を闊歩(かっぽ)していたという。
ギリシャ語で「死に神」を意味する学名が与えられたこの恐竜(学名:Thanatotheristes degrootorum)は、北米北部でこれまでに発見されたティラノサウルス科の恐竜としては最古のものと考えられている。成長すると全長8メートル前後に達したとされる。
カナダ・カルガリー大学(University of Calgary)のダーラ・ゼレニツキー(Darla Zelenitsky)助教(恐竜古生物学)は、「このティラノサウルス科の恐竜は、その時代のカナダに生息していたことが知られている唯一の大型頂点捕食者だった。これを体現する名称として『死に神』を選んだ」と話す。
「ニックネームはタナトス(Thanatos)となった」と、ゼレニツキー助教はAFPに語った。
研究チームの指摘によると、タナトスが生息していた年代は少なくとも7900万年前にさかのぼるとされる。一方、スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督による映画『ジュラシック・パーク(Jurassic Park)』(1993年)で不朽の名声を獲得した、あらゆる恐竜種の中で最も有名なT・レックスは、約6600万年前に生息していたという。
タナトスの化石標本を発見したのは、カルガリー大博士課程の学生。カナダでティラノサウルス科の新種が発見されるのは50年ぶりとなる。
学術誌「Cretaceous Research(白亜紀研究)」に掲載された研究論文の共同執筆者であるゼレニツキー助教は、「相対的に言って、ティラノサウルス科に属する種は非常に少ない」「食物連鎖の性質のせいで、これらの大型頂点捕食者は草食恐竜と比べると希少だった」と説明している。(c)AFP