【12月25日 AFP】ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領(64)は就任後初めてクリスマスの恩赦を実施し、死者が発生した作戦中の非故意の犯罪行為で有罪となった警察や軍の治安部隊員を釈放した。

 恩赦は23日夜、ボルソナロ氏の署名を得て翌24日に官報で公布された。大統領府によると「故意ではない犯罪行為」で有罪判決を受けた、すべての機関の治安部隊員を対象に適用される。

 また非番中に「自分や第三者への危険を取り除くために」実行した犯罪で有罪となった治安部隊員も、恩赦が受けられるとしている。しかし拷問、テロリズム、汚職、深刻な規律違反を犯して有罪判決を受けた者は恩赦の適用外となる。実際に恩赦の対象となった人数は明らかでない。

 極右政治家のボルソナロ氏は、2018年の大統領選で犯罪対策強化を公約に掲げた。しかし大統領選に勝利する以前から、犯罪者を殺害した治安部隊員は「勲章に値し、裁判で責任を問われる必要はない」などと主張し、非難を浴びた。

 ブラジルの警察、特にリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)州の州警察はファベーラ(Favela)と呼ばれる貧民街で手荒な取り締まりを行い、長年批判されている。リオでは今年第1四半期、取り締まり中に殺害された人数が434人と過去最多を記録した。(c)AFP