【12月2日 AFP】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は1日、気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の開幕を前に記者会見し、人類を脅かしている地球温暖化の壊滅的な影響は、人類に痛めつけられている自然界からの抵抗だと警告した。196か国が集うCOP25は2日からスペイン・マドリードで開幕する。

 グテレス氏は、「何十年もの間、人類は地球と戦争状態にあり、今、地球は反撃している」と述べ、経済大国による二酸化炭素(CO2)削減の努力は「まったく不十分」だと非難。「われわれは自然に対する戦争を止めなければならず、科学はそれが可能なことを教えてくれている」と語った。

 グテレス氏によると数日以内に公表される国連報告書は、過去5年間が記録史上最も暑かったことを裏付けるもので、また今年は史上2番目に暑い年となる見通し。

 さらに同氏は「気候変動に関連した自然災害は、頻度も威力もより増しており、さらに多くの犠牲者を生んでいる」と警告。グテレス氏は直接名指しすることはしなかったが、発言が温室効果ガスの排出量の半分以上を占める少数の経済大国に向けられたものであることは明らかだった。

 グテレス氏は、気候変動はもはや長期的な問題ではないとし、「われわれは今、地球規模で気候危機に直面している。取り返しのつかない段階に到達するのは遠い将来の話ではなく、間近に迫っており、われわれに向かって急速に近づいてきている」と訴えた。(c)AFP