【11月30日 AFP】メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は29日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がメキシコの麻薬カルテルをテロ組織に指定する方針を示したことを受けて、米国が国境を越えて軍事作戦を行うことは容認しないと警告した。

 メキシコ北部で今月4日、現地在住の米国人のモルモン教徒の女性と子どもら9人が麻薬カルテルに殺害されたとみられる事件が発生し、以降、トランプ氏はメキシコの麻薬カルテルに対して強硬な発言を繰り返している。

 トランプ氏は事件後、米国はメキシコが「麻薬カルテルと戦争する」のを支援する用意があるとツイッター(Twitter)に投稿。さらに今週、メキシコの麻薬カルテルを「外国テロ組織」に指定する考えを示した。

 トランプ氏の発言はメキシコにとっては国家の威信を傷つけるものだ。メキシコは長きにわたった米国による武力介入を快く思っておらず、トランプ氏の発言は国境を越えた軍事活動の脅威と受け止められている。

 ロペスオブラドール氏は、「武装した外国人がわが国の領土に立ち入ることはできない。われわれはそれを容認しない」と述べた。

 ただ同氏は直後に、両国間には「多大な協力」があり、トランプ氏は「敬意をもって」自らを扱ってくれていると述べ、そうした軍事作戦が展開される可能性は低いという見方を示した。(c)AFP/Sofia MISELEM