アフリカ人は「敬意を払われていない」、エトー氏がバロンドール投票を嘆く
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【12月2日 AFP】サッカー元カメルーン代表FWのサミュエル・エトー(Samuel Eto’o)氏がAFPの単独インタビューに応じ、アフリカ人選手はいまだふさわしい評価を得られておらず、今年は同大陸の選手がバロンドール(Ballon d'Or)を受賞する年になってほしいと明かした。
これまでにバロンドールを受賞した経験を持つアフリカ人選手は、現役時代にパリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain、PSG)やACミラン(AC Milan)で活躍し、現在はリベリア大統領を務めるジョージ・ウェア(George Weah)氏のみとなっている。
仏パリを訪れた38歳のエトー氏は、AFPの取材に対し「欧米のメディアはアフリカのメディアよりも優勢だから、彼らは間違いなく影響力を持っている。人々はリオネル・メッシ(Lionel Messi)のゴールを見るのが好き」とコメントした。
FCバルセロナ(FC Barcelona)でメッシとチームメートだったエトー氏は、「アフリカ人選手は敬意を払われていない」とし、さらに「常に正しく評価されているわけではない」と強く考えている。
欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)を3度制し、アフリカネーションズカップ(The Africa Cup of Nations)でも2度の優勝を成し遂げるなど、輝かしいキャリアを送ったエトー氏は先日引退を発表した。
エトー氏はバロンドールを受賞できなかったが、それでも後悔は一切ないと主張した。
「(後悔は)ない。数々のトロフィーを獲得しいくつもの夢をかなえたから。それは私にとって、バロンドールを受賞することに等しい。だが、私の世代の後に出てきた後進たちに対しては本当に気の毒に思う」
今年のバロンドール各部門の受賞者は、仏パリで12月2日に開催されるセレモニーで発表されることになっており、男子部門の投票は180か国の記者らによってすでに先月8日までに行われた。
30人いる男子部門の候補者の中にはアフリカ人選手が5人おり、昨シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)を制したリバプール(Liverpool FC)の主力であるモハメド・サラー(Mohamed Salah)とサディオ・マネ(Sadio Mane)も含まれている。
9月に行われた国際サッカー連盟(FIFA)の年間表彰式「ザ・ベスト・FIFAフットボールアウォーズ(The Best FIFA Football Awards 2019)」では、リオネル・メッシ(Lionel Messi)がビルヒル・ファン・ダイク(Virgil Van Dijk)とクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)を抑えて男子の年間最優秀選手賞に輝き、サラーとマネは惜しくもトップ3に入り込めなかった。
イタリア・ミラノ(Milan)で開催されたこのセレモニーに出席したエトー氏は、レッドカーペット上で誰が同賞を受賞すると思うかを問われ、サラーとマネの名前を挙げた。その短いインタビューの様子を収めた映像はインターネット上で広く拡散された。
エトー氏は「アフリカにとって、サディオ・マネとモハメド・サラーのどちらかがトップ3に入るチャンスだった。彼らが受賞してもいいはずだ。両選手とも素晴らしいシーズンを送った。彼らが受賞して、誰も驚かないだろう」と語った。
アフリカ54か国のキャプテンと監督は投票を行ったが、すべての人がエジプトのサラー、あるいはアフリカネーションズカップで決勝に進んだセネガルのマネに票を入れたわけではなかった。
エトー氏は「なぜわれわれアフリカ人の間にこうした憎悪が存在する? どうして見当違いのねたみがある? お互いを高く評価できなければ、他の大陸の人もわれわれのためにそうはしないだろう」と続けた。
「残念だ。アフリカのすべての人がアフリカ人選手に投票すれば、われわれはいくつかの最優秀選手賞を受賞しているはずだ」 (c)AFP/Yassine KHIRI