正男氏殺害事件のベトナム人被告、傷害罪に訴因変更 近く釈放か
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【4月1日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏が殺害された事件で、ベトナム国籍のドアン・ティ・フォン(Doan Thi Huong)被告(30)が1日、殺人罪より罪状の軽い「危険な手段を用いた傷害罪」に変更された起訴事実を認め、5月にも釈放される見通しとなった。
フォン被告は、インドネシア人のシティ・アイシャ(Siti Aisyah)元被告と共に、2017年にマレーシアのクアラルンプール空港(Kuala Lumpur International Airport)で神経剤を使って正男氏を暗殺したとして殺人罪で起訴されていた。アイシャさんは先月、検察が起訴を取り下げたため釈放されている。一方、フォン被告の起訴取り下げ要求は却下されていた。
クアラルンプール近郊のシャーアラム(Shah Alam)高裁で開かれた公判で、検察はフォン被告の訴因を、死刑が適用される殺人罪から「危険な手段を用いた傷害罪」に変更。フォン被告は罪状を認め、裁判官が禁錮3年4月の有罪判決を言い渡した。
収監期間は2017年2月の逮捕時にさかのぼって適用されるが、フォン被告の弁護団によれば通常なら減刑となり、5月第1週にも釈放される可能性が高いという。
新たな起訴内容の詳細を伝えられたフォン被告は、笑顔で「うれしいです」とコメント。言い渡された判決についても「公正だ」と述べて歓迎した。
アイシャさんとフォン被告は一貫して殺人の罪状を否認。北朝鮮の工作員にだまされ、いたずらを仕掛けるテレビ番組に出演すると思い込まされていたと訴えていた。(c)AFP/M. Jegathesan