【1月4日 AFP】オーストリア当局は3日、テロを企んでいるシリア移民がいるとする虚偽の情報提供を行ったとして61歳の男を逮捕したと発表した。男はそのシリア人男性への「嫉妬」から犯行に及んだといい、この通報によって警察は大々的な捜査を展開し、シリア人男性を拘束していた。

 オーストリア・チロル(Tyrol)州の州都インスブルック(Innsbruck)の検察当局は、ルーマニアの親戚の元を訪れていたオーストリア人の男を欧州逮捕状に基づいて先月29日に拘束したと明らかにした。

 男は昨年11月、オーストリア内務省に匿名の電子メールを送り、ある29歳のシリア移民の正体はイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の司令官で、インスブルックでの攻撃を計画しているという虚偽の情報を提供したとされる。

 この情報提供に基づき、当局は警察の特殊部隊「コブラ(Cobra)」を出動させて大規模な急襲作戦を実行し、11月26日にシリア人男性1人を拘束した。しかし、情報を提供した男がすべては作り話だったことを認めたため、その24時間後に警察はシリア人男性を釈放した。

 検察の報道官はAFPの取材に対し、虚偽の情報提供の動機は「嫉妬だ」と語った。逮捕された男は、自分のパートナーがそのシリア人男性と一緒にイベントに参加するのを止めたくて話を作り上げたと語っている。(c)AFP