【5月19日 AFP】米中西部で見つかった恐竜の頭の骨の化石が、めずらしい角を持った新種の恐竜2種のものであることが判明したと研究チームが18日、発表した。

 一種は、約7600万年前に生息していた恐竜のもので、10年前に米モンタナ(Montana)州ジュディスリバー層(Judith River formation)から発見された。発見場所にちなみ「ジュディス」の愛称で呼ばれている。

 米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に掲載された研究論文によると、学名は「Spiclypeus shipporum」で、有名なトリケラトプスなどと同じカスモサウルス科に属し、目の上の角が横方向に張り出しているという。

 この巨大で動きの鈍い草食動物には、硬い突起物で縁取られた襟飾り(フリル)がある。突起物は前方にカールしたり後方に向いていたりしているという。

 主執筆者であるカナダ自然史博物館(Canadian Museum of Nature)のジョーダン・マロン(Jordan Mallon)氏は、「角竜類の新たな仲間は、8500万年前~6600万年前の北米西部地域に生息していた」と述べている。

■ユタ州の恐竜

 一方、米ユタ(Utah)州南部の「グランド・ステアケース・エスカランテ・ナショナル・モニュメント(Grand Staircase-Escalante National Monument)」のワーウィープ層(Wahweap Formation)では、フリルから2つの突起物が出している角竜類の化石が見つかっている。

「Machairoceratops cronusi」と命名されたこの恐竜は、約7700万年前に生息していたと考えられ、体重は1~2トンに達したとみられる。

 頭の骨の形状は、これまでに発見された、オウムのようなくちばしや顔面の角、装飾的なフリルなどが特徴のケラトプス科のセントロサウルス亜科のいずれにも似ていないという。(c)AFP