ロシア捜査当局、4歳女児殺害事件でベビーシッターを起訴
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【3月5日 AFP】ロシア捜査当局は4日、世話をしていた障害のある4歳の女児を斬首して殺害し、モスクワ(Moscow)市内で頭部を振り回したベビーシッターを殺人罪で起訴した。
ロシア連邦捜査委員会(Investigative Committee)は、イスラム教徒が多いウズベキスタン出身のギュルチェフラ・ボボクロバ(Gyulchekhra Bobokulova)被告(38)は、「容疑者の精神状態」を調べるため精神鑑定と薬物検査を受ける予定という。
ロシアでは女性被告に25年以上の禁錮刑を科すことはできないが、未成年を殺人した罪の最高刑は終身刑となっている。また心神喪失と認定された被告には禁錮刑を科すことができない。
捜査委員会は「捜査では現在、容疑者の人格や犯行の動機などを綿密に調べている」などとする声明を発表した。
メディアに「血まみれの乳母」と異名を付けられたボボクロバ被告は先月29日、モスクワ北西部にある地下鉄駅の外で、斬首した女児の頭部を振り回していたところを逮捕され、今月2日に裁判所に出廷した際、女児殺害は「アラーに命令された」と語っていた。
インターネット上に出回った動画では、3児の母であるボボクロバ被告が女児殺害をウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領が昨年9月からシリアで行っている空爆に対する「報復」だったと述べる様子が映し出されているという。
捜査委員会は、ボボクロバ被告は「以前から統合失調症を患っている」と述べ、またロシア政府は同被告は精神に問題を抱えているとしている。
しかし、ボボクロバ被告がイスラム過激派の影響を受けていると主張する説もある。4日の露日刊紙モスコフスキー・コムソモーレツ(Moskovsky Komsomolets)によると、捜査当局はイスラム教徒が多い中央アジアの国タジキスタンで数日前に逮捕されたボボクロバ被告のパートナーの男性(48)に捜査の焦点を当てているという。
同紙はウズベキスタン警察に事情聴取を受けたボボクロバ被告の息子の1人が、ボボクロバ被告がパートナーの男性と出会った後、熱心なイスラム教徒になったと証言したと報道した。
息子が話した内容として伝えられたところによると、ボボクロバ被告は「自分はイスラム教徒のベールを自由に着て、シャリア(Sharia、イスラム法)に従って生きることができ」、「(息子は)聖戦に参加できる」として、息子を連れてシリアのイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に参加したいと話していたという。
しかしモスコフスキー・コムソモーレツ紙によると、この息子は米国か韓国に移住したいので、イスラム国に参加する予定はないとボボクロバ被告に話したという。(c)AFP