【11月7日 AFP】激しい頭痛に苦しんでいた米カリフォルニア(California)州在住の男性の頭痛の原因が、脳内に、いわゆるサナダムシと呼ばれる条虫の幼虫が寄生していたことだと分かった。地元メディアが5日、報じた。

 地元紙ナパ・バレー・レジスター(Napa Valley Register)の取材に応じた医師団によれば、サクラメント(Sacramento)に住む学生、ルイス・オーティス(Luis Ortiz)さん(26)の脳内に条虫の幼虫が寄生し、命の危険が迫っていたという。

 担当の神経外科医によれば、サナダムシはオーティスさんの脳の中で、「瓶のコルク栓(せん)」のように嚢胞(のうほう)を作り、それによって、脳室に流れる脳脊髄(せきずい)液がせき止められていたという。

 激しい頭痛と吐き気を訴えて病院の救急治療室に運ばれたオーティスさんは、その後、昏睡状態に陥り、緊急外科手術で幼虫の摘出手術を受ける必要に迫られた。

「ショックでした」と、回復途中にあるオーティスさんは、米CBSテレビに答えている。「こんなことが自分の身に起きるなんて。脳の中に寄生虫がいて、ぼくの人生を破滅させられそうになっていたとは思ってもみませんでした」

 療養中は学校を中退して実家に戻らざるを得なくなり、当面は車の運転も仕事もできないという。

 オーティスさんは、「記憶力は少しずつ戻っている」として、治療のおかげで脳の全体的な機能も徐々に回復しているとコメントしている。(c)AFP