【1月14日 AFP】節電を訴える際に、電気料金の節約を話すより、電力浪費による大気汚染で子どもたちの健康が損なわれる可能性があると話した方が、より節電効果がある──このような研究結果が、12日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に掲載された論文で明らかになった。

 論文を発表したのは、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California Los AngelesUCLA)の博士課程で経済と環境科学工学を専攻するオマー・アセンシオ(Omar Asensio)氏らの研究チーム。

 研究チームは、米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)に住む118世帯を対象に調査を行った。

 対象となった世帯は、2種類の異なった評価結果を受けるグループに分けられ、約4か月にわたって毎週それぞれ報告を受けた。

 片方のグループは、電力をより効果的に使用している別世帯との比較結果と、こまめに明かりを消して節電することで節約できる金額が示された。

 別のグループには、同様の結果報告の他、電力の浪費が汚染物質の排出を助長していることや、がんや喘息などの子どもの健康問題に大気汚染が関連している可能性も併せて伝えられた。

 その結果、子どもの健康問題に電力消費が関連していることが伝えられた世帯では、電力の平均消費量が8%減少した。さらに、子どもがいる世帯では、平均で19%減少したという。(c)AFP