【5月15日 AFP】近く行われる欧州議会選挙への投票を呼び掛ける目的で制作されたアニメ動画が「性的および暴力的」だとして批判が殺到し、デンマークでは議会が動画の削除を発表した。この動画には、乱交パーティーにふけるスーパーヒーローが市民に暴力で投票を強要するといった内容が含まれていた。

 問題の1分35秒の動画には、筋骨隆々で胸毛をあらわにした「投票マン(Voteman)」がスーパーヒーローとして登場し、投票を済ませていない市民らを殴ったり投票所に放り投げたりする描写もみられた。さらにこの「投票マン」が、女性5人とベッドを共にするシーンや、投票に行かず寝室にこもっている裸のカップルを窓から放り出すシーンも含まれていた。


 動画投稿サイトのユーチューブ(YouTube)での再生回数は20万回を超え、政治家やソーシャルメディアの利用者らからは、激しい非難を寄せられた。

 モーンス・リュッケトフト(Mogens Lykketoft)議長はAFPの取材に対し、国会の欧州連合(EU)情報センターが制作したアニメ動画が、想定されていた以上に真剣に、攻撃的なものとして受け取められたことを知ったと述べた上で、「国会の名を冠する際にはもっと慎重になるべきだった」と電子メールで回答した。

 25日の欧州議会選挙で一票を投じる意義を、ハリウッド映画風のナレーションでデンマークの有権者に説明するこの動画には20万クローネ(約370万円)の制作費が充てられたという。(c)AFP