【3月15日 AFP】今年1月に嗜好(しこう)用マリフアナを合法化した米コロラド(Colorado)州はこのほど、酒や薬物の影響下での運転(Driving Under the InfluenceDUI)をすれば罰則の対象になることを周知するため、「Drive High, Get a DUI(ハイで運転、DUIで処罰)」というキャッチコピーの広報キャンペーンを開始した。

 主に21~34歳の若者層をターゲットに50万ドル(約5000万円)を費やしたこのキャンペーンでは、マリフアナ使用後に運転すると薬物運転の罰則の対象になるとユーモアを交えて警告する3本のテレビCMが制作された。

 1本のCMでは若い男性が壁に薄型テレビを取り付け、設置完了と一息ついたところテレビが床に落ちて全壊。ここで「ハイになった状態でテレビを設置するのは今や合法。しかし(事故で車を台無しにして)新しいのを買おうと車に乗れば違法」という字幕が出る。テレビCMは3本とも「Drive High, Get a DUI」というロゴで締めくくられる。

 同州運輸局の広報担当者によると、「キャンペーン開始前に、医療・嗜好用マリフアナの使用者を対象に運転時のマリフアナの影響に関する大規模な意識調査を実施した」ところ、「多くの回答者が運転能力への影響はないと答え、中にはマリフアナを吸った後の方が、運転がうまくなると信じている人さえいた」という。

 同局の調べでは、今年1月の飲酒・薬物運転で召喚状が出された60件のうち、大麻を吸った後に運転していた人が半数を超えたという。

 同州は今週、マリフアナが合法化されてからの1か月間に、税金と小売店の手数料で350万ドル(約3億5000万円)の歳入があったと発表した。マリフアナは、米連邦法ではヘロインやエクスタシー、LSDと並んで違法薬物に指定されているが、コロラド州に続いて太平洋岸のワシントン(Washington)州でも今年中に合法化される予定となっている。(c)AFP