レーニン像を破壊、ウクライナ首都で反政権デモ激化
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【12月9日 AFP】ウクライナの首都キエフ(Kiev)で8日、数十万人が参加する新たな反政権デモが行われ、参加者によってロシア革命の指導者ウラジーミル・レーニン(Vladimir Lenin)の像が破壊された。
ロシアの圧力を受けて欧州連合(EU)との連合協定調印を棚上げしたビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領を糾弾するデモ参加者たちは、キエフ中央の独立広場(Independence Square)と周辺の通りを埋め尽くした。
AFP特派員によると、覆面のデモ参加者数十人が、高さ3.4メートルのレーニン像を、首にロープをかけて引き倒し、地面に落ちた像をハンマーでたたき壊した。像の一部は後に、独立広場のデモ会場で、誇らしげに掲げられた。
有力野党議員のアンドリー・シェフチェンコ(Andriy Shevchenko)氏は、独立広場のデモ指導者らは像の破壊に関与していないと語った。
反政権派は、ヤヌコビッチ大統領が48時間以内に政権を解散しないならば、キエフ郊外のドニプロ川(Dnipro River)の岸辺にある同大統領の豪邸を封鎖する構えを見せている。
反政権デモは、ヤヌコビッチ大統領が6日にロシアのソチ(Sochi)でウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と戦略協定についての秘密協議を開いたことにより、さらに激化した。専門家らは、この協議でプーチン大統領が、ウクライナがロシア主導の関税同盟(Customs Union)に参加することと引き換えに、安価なガスと数十億ドル(数千億円)の援助を申し入れたとみている。(c)AFP/Dmytro GORSHKOV, Olexander SAVOCHENKO