【9月15日 AFP】ルーマニアの首都ブカレスト(Bucharest)のある区役所が12日、拾ってきた野良犬の飼育は集合住宅1棟につき1匹に制限すると発表した。

 区役所が出した声明によるとこの規則は、集合住宅の居住者全体の51%が賛成すれば、拾ってきた野良犬を飼うおりを建物の裏に1つだけ設置できるという内容。

 ルーマニアでは地元の野良犬に餌を与えるなどの世話をする住民が存在し、このような犬は「地域犬」として知られてきている。しかし4歳の男児がブカレストで野良犬の群れにかまれて死亡したことを受けて、街中で捕獲された犬の飼い主が2週間以内に名乗り出なければ当局による殺処分を認める法案が10日に議会で可決された。

 フランスの元女優で動物愛護活動家でもあるフランスのブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)さん(78)は、殺処分法案を後押ししたトライアン・バセスク(Traian Basescu)大統領を「暴君」と呼び、かつてこの国を支配した独裁者になぞらえ、「私たちは(ニコラエ・)チャウシェスク(Nicolae Ceausescu)の時代に戻ってしまったみたい」と述べた。(c)AFP