【8月24日 AFP】学校での銃乱射事件が多発する米国で、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領をはじめ国民らは、新たなヒーローに賞賛の声を送っている。小学校の女性事務職員が、銃を持って校内に侵入した男を説得し、警察に投降させたのだ。

 オバマ大統領は22日、アントワネット・タフ(Antoinette Tuff)さんに電話をかけ、その勇気ある行動を讃えた。

 事件は、ジョージア(Georgia)州アトランタ(Atlanta)近郊の小学校で20日に起きた。警察によると、精神疾患の病歴を持つマイケル・ブランドン・ヒル(Michael Brandon Hill)容疑者(20)が、500発の銃弾とアサルトライフルを持って小学校に侵入、職員らを人質にとった。

 そのうちの一人が、タフさんだった。ヒル容疑者に緊急電話に連絡するのを許されたタフさんは、電話を片手に容疑者の説得にかかった。

 タフさんは、米ABCニュース(ABC News)系列の地方テレビ局WSB-TVに対し、「彼は『生きている理由などない。自分は今日死ぬんだ』と言いました」と語った。

 彼女は男を落ち着かせるため、自分は33年の結婚生活を経た後に夫と別居していることや、障害者の息子がいることなどを話した。「誰もが人生で困難なことを経験するのよ。ここで一緒に座って、そのことを話しましょう」

 男は警察に対し発砲したが、タフさんは、このままでは警察に殺されてしまうから発砲をやめ、降伏するよう説得した。「彼に、あなたを愛している、と言いました。彼の名前も何も知らないけれど、彼に愛情を感じていたのです」

 米国では昨年12月に、コネティカット(Connecticut)州ニュータウン(Newtown)のサンディフック小学校(Sandy Hook Elementary School)で若い男が銃を乱射、児童20人と大人6人が死亡する事件が起きている。(c)AFP