【8月2日 AFP】米フロリダ(Florida)州で黒人少年が射殺された事件で無罪となった元自警団員のジョージ・ジマーマン(George Zimmerman)氏が、テキサス(Texas)州の高速道路を運転中に警察官から速度超過で注意された際、車内に銃を所持していたとみられることが分かった。

 ジマーマン氏の運転するピックアップトラックが停車させられる様子を写した警察車両カメラの映像は、7月31日にネット上で公開されると、瞬く間に広まった。

 警察官は当初、運転手が数週間もニュースを賑わせている人物とは気づいていない。行き先を尋ねられたジマーマン氏は「特に行くあてはない」と答えると、運転免許証の氏名を確認したかと聞き返した。そこで初めて相手がジマーマン氏だと気付いた警察官は「すごい偶然だ」と驚いている。

 続いて警察官は「令状なんかは、もう出てないですよね」とジマーマン氏に確認。「もちろんです」と答えるジマーマン氏に、警察官は「落ち着いてくださいよ。それなら大丈夫ですから」と語りかけ、ジマーマン氏を停止させたのは所定の交通取り締まりの一環で、問題なのは速度超過だけだと説明した。

 さらに警察官は、「気を楽にしてください。そしてダッシュボードの小物入れを閉じてもらえますか?自分の銃で面倒を起こさないでくださいよ」と話しかけている。

 いったん警察車両に戻ってジマーマン氏の記録を確認した警察官は、再び同氏の車両に戻り、「すべて問題ないです。これからはスピードを落として運転してください。今回は口頭注意だけで終わりです」と語りかけた。

 ジマーマン氏は昨年2月、武器を持っていなかった黒人少年トレイボン・マーティン(Trayvon Martin)さん(当時17)を射殺したが、裁判では正当防衛が認められ無罪評決が言い渡された。だが、この評決は人種差別の疑いがあるとして、全米で抗議運動が広まっている。(c)AFP