【7月31日 AFP】廃品を利用したアクセサリーの製造・販売を行うインドのリサイクル関連会社「グリーン・ザ・ギャップ(Green the Gap)」が、米アパレル大手「ギャップ(GAP)」から商標権を侵害しているとして訴えられ、社名を変えるよう求められている。グリーン・ザ・ギャップの創業者が26日、AFPとのインタビューで明らかにした。

 グリーン・ザ・ギャップはインド国内で3店舗を展開し、主にビールの空缶やゴムタイヤ、果物の空容器などの廃品を使ったアクセサリーや室内装飾品を制作・販売している。

 別ブランドでは衣類も販売しているという同社だが、創業者のVimlendu Jhaさんは、インド零細企業に対する「いじめ」だとしてGAPによる訴訟を非難した。GAPは3月、グリーン・ザ・ギャップに対して14日以内に会社名の変更しGAPの文字を消去するよう求めた。

 最初の通達から約1か月後、GAPから再度の通達があり、登記目的のための社名維持は許可するが、商品やウエブサイトからは「GAP」の文字を消すよう求められたという。

 JhaさんはAFPの取材に対し、「われわれは、社会的地位のある有名な大企業がこんな零細企業に脅威を感じていることに、驚きと憤りを感じる」と語った。

「我々にとって『GAP』とは隙間や欠如を意味する英単語の1つに過ぎない。それを商標登録して独占する。なぜそんなことができるんだ」

 グリーン・ザ・ギャップは、5年前に環境の維持と適切な労働賃金の支払いを求めるインドの権利擁護団体「Swechha」による運動の一環として立ち上げられた。Swechhaは、「ブリッジ・ザ・ギャップ(Bridge the Gap、格差を埋める)」と称する教育プログラムを展開し、社名はこれにちなんだという。

 米国最大のカジュアルウェアの小売業者であるGAPは、年間の売り上げが150億ドル(約1兆4700億円)を超え、世界90か国で約3000店舗を展開している。(c)AFP/Abhaya SRIVASTAVA