視覚障害者向けの著作物めぐり条約採択、S・ワンダー氏も祝福
このニュースをシェア
【7月2日 AFP】世界数億人もの視覚障害者にとってより多くの著作物にアクセスすることが可能となる歴史的な条約が、6月28日にモロッコのマラケシュ(Marrakesh)での会合で調印された。調印には音楽界の重鎮で視覚障害者のスティービー・ワンダー(Stevie Wonder)氏も駆けつけ、数年がかりの交渉と既得権者からの抵抗を乗り越えて誕生したこの条約を「新たな始まり」と祝った。
世界盲人連合(World Blind Union)によると、これまで著作権法による制限により、3億人強とみられる世界の視覚障害者が利用できる著作物は全体のわずか5%に過ぎなかったという。また、国をまたいでの取引にはさらなる制限が課せられているため、視覚障害者の90%が途上国に居住している現状では、著作物へのアクセスは非常に難しかった。
1週間以上続いた激しい議論を経て、世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization)に加盟する186の国から集まった約800人の代表らは、主に著作権の規制を制限する点で妥協に達した。この条約の目的は、点字やオーディオブック、大活字といった視覚障害者向けの形式に書籍物を変換し、広く流通させることにある。
27日に満場一致で採択された条約は、翌日、ワンダー氏が見守る中で調印された。この条約が合意に達した際にパフォーマンスをすることを約束していたワンダー氏は、「これは視覚障害者にとっての新たな始まりだ。この勝利は世界中の指導者たちに、ビジネスと善行を両立することができるとのメッセージだ。全ての政府がこの条約に批准するよう求める」と語った。(c)AFP/Guillaume Klein
世界盲人連合(World Blind Union)によると、これまで著作権法による制限により、3億人強とみられる世界の視覚障害者が利用できる著作物は全体のわずか5%に過ぎなかったという。また、国をまたいでの取引にはさらなる制限が課せられているため、視覚障害者の90%が途上国に居住している現状では、著作物へのアクセスは非常に難しかった。
1週間以上続いた激しい議論を経て、世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization)に加盟する186の国から集まった約800人の代表らは、主に著作権の規制を制限する点で妥協に達した。この条約の目的は、点字やオーディオブック、大活字といった視覚障害者向けの形式に書籍物を変換し、広く流通させることにある。
27日に満場一致で採択された条約は、翌日、ワンダー氏が見守る中で調印された。この条約が合意に達した際にパフォーマンスをすることを約束していたワンダー氏は、「これは視覚障害者にとっての新たな始まりだ。この勝利は世界中の指導者たちに、ビジネスと善行を両立することができるとのメッセージだ。全ての政府がこの条約に批准するよう求める」と語った。(c)AFP/Guillaume Klein