【2月24日 AFP】昨年末、イエメンでフィンランド人のカップルと共に拉致されたオーストリア人の男性が、インターネットに投稿された動画の中で、拉致した犯人らの要求が受け入れられなければ1週間以内に殺害されると述べた。オーストリアのメディアが23日、伝えた。

　オーストリア通信（Austria Press Agency、APA）によると、動画は2月21日に動画共有サイトのユーチューブ（YouTube）に投稿されたもので、フィンランド、オーストリアの当局によって本物と確認された。

　動画の中で男性は頭に銃を突きつけられながら、「私の名前はドミニク・ノイバウアー（Dominik Neubauer）。オーストリア人です。私はイエメンの部族によって2012年12月21日に人質に取られました」と述べた。

「私は、彼らが望むものを与えるようイエメン政府、オーストリア政府、関係する全ての国の政府、欧州連合（EU）に訴えます。さもなければ、この動画が公開されて7日後に私は殺されるでしょう」と男性は述べた。

■オーストリア当局、交渉の有無は明かさず

　オーストリアの外務省報道官はAPAの取材に、この動画が男性が生存しているという最初の証拠であるとしたが、犯人らが何を要求しているのか、また交渉の有無については詳述を避けた。

　オーストリア人の男性とフィンランド人の男女は、イエメン第2の都市タイズ（Taez）を経由し、南部のアデン（Aden）港に移動する準備をしていた時に、首都サヌア（Sanaa）で拉致された。

　1月上旬、イエメンの治安当局者はヨーロッパ人が同国東部マーリブ（Marib）で国際テロ組織アルカイダ（Al-Qaeda）と関わりのある部族によって拉致されたことを明らかにしていた。

　過去15年間にイエメンで拉致された人は数百人に上るが、そのほとんどが無傷で解放されている。イエメンの南部と東部で活発に活動しているアルカイダ系の武装勢力が誘拐を行うことはほとんどないが、昨年3月28日にアデンで拉致されたサウジアラビアの外交官アブドゥラ・ハーリーディ（Abdullah al-Khalidi）氏はいまだに捕われたままだ。(c)AFP