【2月23日 AFP】南アフリカの義足ランナー、オスカー・ピストリウス(Oscar Pistorius)被告(26)が恋人を射殺したとして殺人罪に問われている事件で、首都プレトリア(Pretoria)の裁判所は22日、被告の保釈を認める決定を下した。

 デズモンド・ナイル(Desmond Nair)裁判官は、ピストリウス被告が逃亡する可能性は無く、社会にとって危険な存在でもないとし、被告の保釈を認めた。4日間に及び南アフリカのみならず世界の注目を集めた保釈請求審問はこれで終了した。

 保釈金は100万ランド(約1000万円)で、ピストリウス被告はパスポート(旅券)や銃器を当局に引き渡す必要があるほか、月曜と金曜の午前7時から午後1時の間に、プレトリアのブルックリン警察署に出頭することが求められた。

 ピストリウス被告は保釈承認の決定が読み上げられる2時間半の間、家族に見守られながら被告人席に座り、涙を流したりふるえたりして裁判官の言葉を聞いていた。被告はその後、シルバーの多目的スポーツ車に乗って裁判所を後にした。

 バレンタインデー(Valentine's Day)の14日に恋人でモデルのリーバ・スティンカンプ(Reeva Steenkamp)さん(29)を計画的に殺害した罪に問われているピストリウス被告は、プレトリアの警察署で1週間以上にわたり身柄を拘束されていた。裁判で有罪となれば、終身刑が言い渡される可能性がある。

 ピストリウス被告は罪状を否認し、スティンカンプさんを強盗だと思い込み、施錠されたトイレのドア越しに繰り返し銃で撃ったと主張している。

 次の公判は6月4日に行われる予定。(c)AFP/Johannes Myburgh