【6月29日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2012)に出場している大会第9シードのファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)が、第19シードの錦織圭(Kei Nishikori)に警戒心を強めていることを明かした。

 28日に行われた男子シングルス2回戦で世界ランキング58位の添田豪(Go Soeda)を6-2、6-3、1-6、6-4を下したデルポトロは、3回戦で錦織と対戦する。

 2009年の全米オープン(The US Open Tennis Championships 2009)覇者のデルポトロは、自身のウィンブルドン制覇を阻む可能性を秘める危険な存在の一人として、錦織を警戒していることを認めた。

 同日行われた試合で錦織は、フランスのフロラン・セラ(Florent Serra)を6-3、7-5、6-2で下し、日本人選手としては1995年にベスト8入りした松岡修造(Shuzo Matsuoka)氏以来17年ぶりとなる、ウィンブルドンの男子シングルス3回戦に駒を進めた。

 1月に行われた全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2012)でベスト8まで勝ち残り、将来有望の若手選手として注目されている錦織との対戦について、デルポトロは楽観視していないと話している。

 錦織と同じ時期にジュニア時代を経験してきたデルポトロは、「難しい試合になると思う。ケイのことはジュニア時代から知っているが、彼は本当に上達した。2011年には好成績を収めており、今シーズンも良い結果を残している。彼のショットはどれも危険だ。背は高くないが、良いサーブを打ってくる。フォアハンドとバックハンドも安定しており、とても速い」と語った。

 また、膝の故障の影響により苦しい1年を過ごしたものの、現在は以前の状態を取り戻しつつあるデルポトロは、錦織との試合での最大の懸念は芝生コートにあるとしている。小柄な錦織が展開する速いテンポの試合は芝生に向いている一方、力強く重いショットを得意とするデルポトロのプレーはクレーコート向きとなる。

 デルポトロは、「3回戦まで勝ち残っているすべての選手に当てはまることだが、錦織は芝生だと非常に危険な選手だ。芝生のコートはスピードが増すので、彼にとって有利に働く」と話している。

 一方、2回戦で対戦した添田についてデルポトロは、「彼を倒せてほっとしている。5年くらい前に2度対戦しているが、とても上達していた。第2セット以降は尻上がりに良くなってきて、終盤は紙一重だった。錦織と同じようなフォアハンドとバックハンドの打ち方をするし、スピードも同じくらいある」と語った。(c)AFP