【11月29日 AFP】ピーター・ジャクソン(Peter Jackson)監督が製作を進めている映画『ホビット(原題、The Hobbit)』をめぐり、人種問題が持ち上がった。ニュージーランド・ハミルトン(Hamilton)で前週行われたオーディションで、エキストラ出演希望者が肌の色を理由に落とされたという。地元紙ワイカト・タイムズ(Waikato Times)が29日、報じた。

 パキスタン系のナズ・ハンフリーズ(Naz Humphreys)さんは、3時間並んでオーディションに参加したが、肌の色が合わないと言われた。

   「2010年のこの時代に、茶色い肌を理由に差別されるなんて信じられない」ハンフリーズさんはワイカト・タイムズ紙にこう語った。「キャスティングマネージャーは基本的に、肌の色が白くない人を採用するつもりはないと言っていた」

 同紙によれば、キャスティングマネージャーが「我々は肌が白い人を探している。あなたたちはホビットのように見えなければならない」と言っているオーディションの映像があるという。

 ジャクソン監督がメガホンを取った「ロード・オブ・ザ・リング(Lord of the Rings)」シリーズの大ファンだというハンフリーズさんは、身長が150センチで、映画『ホビット』に参加したいと願っていた。

   「エキストラになりたいけど、茶色とか黒とかの有色人種のホビットは明らかにいない。残念だわ。ホビットはみんな肌がベージュ色で、白色人種の遺伝子からきているように見えるもの」

 ジャクソン監督の広報担当者は同紙に対し、監督はキャスティングの条件については知らず、今回のことは「非常に不幸な間違い」だとコメント。「監督やプロデューサーは、決してそのような指示は出さないだろう。年齢と身長の条件が合う人は誰でもオーディションに歓迎する」と釈明した。(c)AFP