【9月1日 AFP】遺伝的に肥満になりやすい体質でも、運動することによって、実際の体重増加を平均40%抑えることができるという研究結果が発表された。

 31日発行の米医学誌「Public Library of American Science Medicine」に掲載されたもので、英ノリッジ(Norwich)の住民2万430人を調査した。肥満になりやすい体質を招く遺伝子変異は、対象者の多くで10~13だったのに対し、多い人では17、少ない人では6だった。

 肥満を招きやすい遺伝子変異体はそれぞれ肥満度指数(BMI)と相関関係にあり、例えば身長170センチの人の場合、肥満遺伝子変異がひとつ増えるごとに、445グラムの体重増加に相当していた。さらに運動を特にしない人では、変異ひとつにつき592グラムの増加がみられた。

 しかし同じ身長でも運動をよくする人では、遺伝子変異ひとつにつき体重増加は379グラムにとどまっており、特に運動をしないグループの増加体重よりも36%少なかった。
 
 確率で言えば、肥満を招く変異がひとつ増えるごとに、太る確率は10%ずつ多くなるのだが、これが運動をよくする人では、リスクが40%低くなるという結果だった。

 研究を行った英医学研究会議(Medical Research Council)疫学研究ユニットのルース・ルーズ(Ruth Loos)氏は、「遺伝的に受け継いだ肥満は克服することはできないという決定論的な見方に、風穴を開ける結果だ。体重を落としたければ、運動はどんな人にも効果があることを示しており、運動の重要性がいっそう明らかになった」と述べている。(c)AFP