南極の氷から100年前のウイスキーを発掘、復元の可能性も
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【2月10日 AFP】南極の氷の中に100年以上埋もれていた、英国の探検家アーネスト・シャクルトン(Ernest Shackleton)所有のウイスキーとブランデー5箱が発掘された。調査を行っていたニュージーランドの南極歴史遺産トラスト(Antarctic Heritage Trust)が前週、明らかにした。
ウイスキーとブランデーは、シャクルトンが1908年に建てた小屋の下から発掘された。南極歴史遺産トラストのアル・ファスティアー(Al Fastier)氏は、以前は2箱しかないと考えられていたと述べた上で、「驚いたことに5箱も見つかった。3箱にはウイスキー入り、2箱にはブランデー入りとラベルが張られていた」と語った。
いくつかの箱は割れて内部が氷結しており、中身を取り出すには慎重な作業が必要だという。だが、ファスティアー氏は、箱を動かした時に液体の音が聞こえているので、中身は漏れ出していないはずだと語る。ただ、周囲の氷にウイスキーのにおいがすることから、何本かは割れていると見られている。
■「天国からの贈り物」、復元の可能性も
シャクルトンに提供されたウイスキー、マッキンレイ(Mackinlay)製造元である英ホワイト・アンド・マッカイ(Whyte and Mackay)のマスターブレンダー、リチャード・パターソン(Richard Paterson)氏は、この発見をウイスキー好きへの「天国からの贈り物」だと表現した。
パターソン氏は「中身が安全に取り出されたら、分析してオリジナルのウイスキーを復元できる可能性もある」「オリジナルのレシピがもう存在していないことを考えると、これは歴史の扉を開けることになる」と語った。
シャクルトンは1907~09年、ロイズ岬(Cape Royds)から南極点を目指していたが、食糧不足により、南極点から約160キロの場所で引き返すことになった。(c)AFP