【12月25日 AFP】(一部更新、写真追加)英国のノーベル文学賞受賞者で劇作家・俳優のハロルド・ピンター(Harold Pinter)氏が24日、死去した。78歳。妻のアントニア・フレイザー(Lady Antonia Fraser)さんが25日、英ガーディアン(Guardian)紙に明らかにした。長年がんを患っていたという。

 フレイザーさんは「彼は素晴らしい人だった。33年以上もの間、人生を共にできて光栄だ。彼は決して忘れられることはないだろう」とガーディアン紙に語った。

 ピンター氏は2005年にノーベル文学賞を受賞。作品に『誕生パーティー(The Birthday Party)』『料理昇降機(The Dumb Waiter)』『帰郷(The Homecoming)』など。ピンター作品には、独特の「恐ろしげな間」と出身地であるロンドン(London)東部の口語が多く取り入れられている。

 ピンター氏はまた、イラク戦争に強く反対していた。

 ピンター氏は2005年に戯曲執筆を止め、詩作に専念するほか、演技の分野や映画脚本の執筆に取り組んでいると語っていた。

 2002年に食道がんと診断されてから治療を続けていたが、2006年にサミュエル・ベケット(Samuel Beckett)作の1人芝居『クラップの最後のテープ(Krapp's Last Tape)』の演技で演劇舞台に復帰し、高い評価を得た。(c)AFP