【4月17日 AFP】北京五輪の聖火リレーは16日、パキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)で、厳戒態勢の中、運動競技場内のみで行われ、無事終了した。

 主催者側は、チベット(Tibet)支持派による抗議デモや民兵組織の攻撃を避けるため、当初計画されていたルートを最終段階で変更し、数千人規模の軍部隊や警官隊が警戒にあたった。

 式典では、ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領とユサフ・ギラニ(Yousuf Raza Gilani)首相が、日頃の政治的な立場の違いを忘れ、聖火が点火されると神妙な面持ちで共にトーチを掲げた。

 伝統的な馬車で聖火が競技場に運ばれてくると、若者らがパキスタン国旗を振って声援をおくり、軍の音楽隊も到着を歓迎する演奏を行った。

 到着の際に大統領と首相が乗車していたのは防弾車両で、護衛車両のルーフには銃が設置されていた。また武装した護衛団が警戒にあたり、上空からは軍のヘリコプターが監視していた。

 一方、これから聖火が到着するオーストラリアとインドでは、中国政府に対する抗議デモに備え準備が進められている。(c)AFP/Danny Kemp