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78 イラン
イランの建築といえば、まず思い浮かぶのがイスファハンなどで盛んに見られるような16世紀前後のペルシア建築だ。しかし、19世紀に入ってから、イランもほかの世界と同様、近代建築の波に乗り、イラン独自のモダン建築の創造を試みている。この場を借りて、イランの近代建築のいくつかの事例を紹介する。 西洋建築が本格的にイランに導入されたのが1920年以降である。パーラビ朝の創立者であるレザシャが国の近代化、西洋化を推し進めるなか、欧米から建築家を招いての建築発展であった。この時代イランに行った欧米の建築家たちのほとんどは考古学出身の人たちで、古代建築の調査でイランを訪れた人ばかりであった。したがって彼らがイランで残す建築は、西洋の古典主義的な手法でイランの古代のモチーフを折衷した形であった。次にイランの建築会の主役になるのが欧米で建築を学んだ、イラン人建築家たちである。彼らはヨーロッパで学んだ建築を忠実に再現する事に一生懸命であったといえよう。けれども、第三世代の建築家たちのほとんどはイランで建築を学んだ人たちで、西洋の建築をただ真似することに疑問を持ち、西洋的の技術を尊敬しながら、独自の建築を生み出そうとする建築家たちである。
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pic Luei Markof《旧郵便局庁(現郵便博物館)》
pic Luei Markof《School of Anushirevan Dadgar》
pic Abdolaziz Farmanfarmayan《テヘラン大学のモスク》
pic Abdolaziz Farmanfarmayan《絨毯博物館》
pic Seid Hadi Mirmiran《弁護士会事務所》
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