一般的に一戸建ての木造は寒く、鉄筋コンクリートのマンションは暖かいと言われたりします。しかし、同じエリアの鉄筋コンクリートのマンションでも寒いマンションと暖かいマンションがあります。
どうせ引っ越すのなら、寒くて暖房費がかさむマンションは避けたいですよね?
そこで今回は、寒いマンションと暖かいマンションとの見分け方について調べてみました。
マンションは気密性が高く、部屋が隣接しているので、一戸建てに比べると暖かいというのが通説ですが、寒いと感じるマンションがあるのはなぜでしょうか?
一般的には「日当たりの良さ」で見分けている人が多いと思いますが、天気の悪い日に寒くなってしまうのではあまり意味がありません。暖かくて過ごしやすいマンションを見分けるためには、以下の4つのポイントに注意してみましょう。
●マンションの断熱材をチェックしよう
鉄筋コンクリートのマンションでは、室内の温度を保つために断熱材が施工されています。断熱の方法には「内断熱」と「外断熱」があります。
「内断熱」とは、いわゆる通常の断熱方法で、鉄筋コンクリートの内側にウレタン製の断熱材を入れることです。内断熱の場合は外気温の熱を室内に入りにくくするという特徴があります。
近年、注目されているのは「外断熱」です。外断熱は建物の外側を断熱材ですっぽりと覆う施工方法で、コンクリートの蓄熱性を上手に活用できるので、省エネ効果も期待できます。
外断熱はもともと北海道など寒冷地での利用が盛んでしたが、近年では、その省エネ効果が注目され、関東地方などでも採用するマンションが増えてきました。
内断熱はマンションの壁の内側に断熱材を入れるので、マンションの外壁はどうしても冷やされてしまいます。一方、外断熱では、建物全体が魔法瓶のようにすっぽりと断熱材で覆われているため、外壁が冷えるのを緩和させる効果があります。
●「住宅性能表示制度」をチェックしよう
「住宅性能表示制度」とは、2000年に施工された「住宅の品質確保の推進などに関する法律(品確法)」に基づき、消費者が質の良い住宅を安心して購入できるための制度です。品確法にはさまざまな取り決めがありますが、その中に「温熱環境・エネルギー消費量に関すること」という項目があり、「断熱等性能等級(1~4級)」および「1次エネルギー消費量等級(1~5級)」で評価されています。
等級の大きい方が寒さに強いマンションと言えます。マンションなどの集合住宅の場合は1棟ではなく、各戸で評価書があり、購入前に確認できます。
●窓ガラスをチェックしよう
冬になると窓に結露が発生する家は、寒さ対策が十分ではないというのは、皆さんもご存知かと思います。かつては、一枚のガラスにアルミサッシ製の窓枠というのが一般的でしたが、最近はペアガラスという二重ガラスの物件が増えてきています。二重ガラスの場合、ガラスとガラスの間に空気があり、室内の温かさが外に逃げることを抑えることができるため、温熱効果はもちろん省エネにもつながるとして、注目されています。
窓は断熱性においても非常に大きな役割を果たすので、ペアガラスまたは複層ガラスを採用しているかどうかをチェックすると良いでしょう。
●外気との接触面積をチェックしよう
外気に直接触れる面積が大きいほど室内の温度が下がりやすくなります。例えば、玄関を出たら外廊下というタイプのマンションよりも、玄関を出たら内廊下になっているタイプのマンションは、外気の影響を受けにくくなります。
そのほか、「建物の端」に位置している部分は、外気の影響を受けやすくなります。例えば、「最上階の部屋」、「角部屋」、部屋下が駐車場やエントランスになっている「下階に住戸がない部屋」は冷暖房効率が低くなるので覚えておきましょう。
室内が寒いと光熱費がかかるため、リフォームを考える人もいるかと思いますが、リフォームとなるとどうしても相応の費用がかかります。そこで、リフォームしなくてもできる寒冷対策を紹介します。
●断熱壁紙シールを使う
近年、DIYが人気となり、壁紙を自分の好みに変更できるといったDIY可能な賃貸住宅も出てきました。そこで、どうせ壁紙を張り替えるなら「断熱壁紙シール」にしてみてはいかがでしょうか。
断熱壁紙シールは、アルミクッションなどの断熱素材が含まれた壁紙シートです。通常の壁紙シートと同じで、シールタイプのため好きな大きさに切れてとても便利です。
●断熱シートや遮熱カーテンで窓付近を対策
窓は一番冷気が侵入しやすい場所なので、窓の対策も重要です。先述の断熱シートは壁紙だけではなく、窓用もあります。最近はおしゃれなものもたくさん出ているので、DIYを楽しみながら断熱を行うことができるでしょう。また、カーテンを遮熱カーテンや厚手のカーテンに替えるだけでも、断熱効果は見込めます。
●床にはラグや絨毯を
最近はフローリングの家も多いですが、やはりフローリングだと底冷えを感じるときもあります。フローリングなどの場合はラグや絨毯などを敷くことで寒さを緩和できます。また床暖房の効果も高まるでしょう。
いかがでしたか?家が寒いと朝晩の活動がつらいのはもちろん、高齢者の場合には健康に支障をきたす場合もあるので、断熱効果の高いマンションを選ぶのは大切なことです。特に春から夏に引っ越す際には、寒冷対策について忘れがちになるため、覚えておくようにしましょう。
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