貯金実態調査2020

貯金実態調査2020

リーディングテック株式会社は、『貯金実態調査2020』の結果を公表しました。
本調査では全国の18歳以上の男女を対象として調査を行い、対象となった2,432人のうち46.1%にあたる1,121人から有効回答を得ました。

サマリ
  • 貯金額の平均値は389万円(昨年度は317万円)
  • 貯金額の中央値は200万円(昨年度は100万円)
  • 新型コロナに係る特別定額給付金や外出自粛で貯金額が増加したものと思料

貯金額の分布および平均値・中央値

貯金額の分布

上図は世帯貯金額の分布をヒストグラムで表したものです。
100万円未満が最も多く、その割合は回答者全体の33.8%に上りました。
中央値は200万円であった一方で平均値は389万円となり、1000万円以上貯金している一部の世帯が平均を押し上げていると考えられます。

貯金額の分布_2019年度(青)と2020年度(赤)の比較

上図は2019年度と2020年度における貯金額のヒストグラムを重ね合わせたものです。
2020年度は100万円未満の割合が9.7ポイント減少し、1000万円以上が4.2ポイント増加しています。
また、平均値は317万円から389万円に増加し、中央値も100万円から200万円に増加しました。

このように全体的に貯金総額が増加した原因として、新型コロナに係る特別定額給付金で臨時収入があったことや、外出自粛により娯楽支出が減ったことなどが挙げられます。
特に貯金1000万円以上が増加しているのは、貯金が多い世帯における娯楽支出の減少幅が他の層よりも大きかったことが原因と推察されます。

貯金額の分布_100万円未満のみ

上図は100万円未満の回答の内訳を表したものです。
0~20万円と回答した「貯金が実質ゼロに近い層」と、50~55万円と回答した「余裕があるとは言えないが生活費のバッファがある層」に分かれていると解釈できます。

貯金額の分布 100万円未満のみ、2019年度(青)と2020年度(赤)の比較

上図は100万円未満の回答について、2019年度と2020年度のヒストグラムを重ね合わせたものです。
前述した0~20万円の「貯金が実質ゼロに近い層」が大幅に減少し、50~55万円の「余裕があるとは言えないが生活費のバッファがある層」が増加したことが分かります。
この結果から、新型コロナに係る特別定額給付金は「貯金が実質ゼロに近い層」の減少という観点では一定の効果があった可能性があります。

60代の貯金残高が大幅に増加

年齢別 貯金額の平均値

上図は年齢別に貯金額の平均値を算出したものです。
年齢とともに貯金額が増加していき、60代を境に減少に転ずる傾向がみられます。

年齢別 貯金額の平均値_2019年度と2020年度の比較

上図は2019年度と2020年度で年齢別の貯金額の平均値を比較したものです。
2020年度では、2019年度と比較して60代の貯金額が大幅に増加する結果となりました。
ただし60代のサンプル数は2019年度は12、2020年度は22と少ないため、年齢別の貯金動向を明らかにするにはより大規模な調査が必要であると思われます。
(なお、60代の各回答を個別に確認したところ大きな外れ値は見つかっていません)

世帯年収が多いほど貯金額も多い

世帯年収別 貯金額の平均値

上図は世帯年収別の貯金額の平均値を算出したものです。
世帯年収が多い世帯ほど貯金額が多いことがわかります。
2019年度調査では世帯年収と貯金額の相関が薄かったのですが、2020年度では相関が顕著に表れる結果となりました。

調査概要

調査概要は以下の通りです。

年齢の分布 世帯年収の分布 職業
調査名 貯金実態調査2020
調査期間 2020年10月8日~2020年10月14日
調査方法 オンラインによるアンケート調査
調査相手 全国の18歳以上の男女2,432人
回答数(率) 1,121人(46.1%)

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