日本のゲーム業界の課金性について

ゲームの課金とは?

パッケージ販売のゲームというのは、一番初めにソフトを購入するためにお金を払うのではありますが、オンラインゲームに関しましては「課金」というシステムが取り入れられています。課金で、現実のお金で電子マネーを買ったり、クレジットカードで引き落としたりと、プロセスを踏めばゲーム内のショッピングにも使えるようになります。

ゲームの中には、アイテム=○○円と日本円での表記、またはゲーム内での通貨として表示されることもあります。

課金のメリットとデメリット

課金のメリット

ゲームに課金すると、強いアイテムまたは話題のキャラ、お好きなキャラの柄違いのカードなどをお金を払えば、カンタンに手にすることができます。

スマートフォンゲームというのは、オンラインで対戦ができたり、知らない人とチームになってバトルすることも出来、強いアイテムやキャラを保有していると尊敬されたり褒められたりします。

すなわち、優越感に浸れるというのが課金の醍醐味です。

課金のデメリット

課金を行なうとゲームが優位に進み、そう簡単にはクリアできないというストレスを感じることなくプレイできます。

ガチャを何度も回せ、欲しかったキャラもカンタンに手に入れることが出来ます。

しかし、それは同時並行的に、

  • ゲームといったそんな簡単にはクリアできないものをクリアする達成感
  • 易々とは手に入らないものを苦労して手に入れるというゲーム性
  • ガチャ本来の保持する楽しみ

などを失うことを意味します。全てはお金で買っただけなのです。

ゲームに取り組んでいるときは楽しいけれど、カードの明細を見てドキッとするあとから感じるやってしまった感がハンパないというのは、後ろめたさの現れです。

頭では分かっているのに止められないという意思の弱さや、判断能力の低さが露呈していると言っていいでしょう。

ゲーム業界の今後と課金性はどうなる?

最近はソーシャルゲームのシェアの増大によって、ゲーム会社の売上元が課金に頼ったものになってきていて、コンシューマーゲームがメインだった時代の売りつくしモデルとはスタイルが変化しています。

人気が出てくれば、売り切りモデルの何倍もの収益を上げることもよくあることことにより、課金制を前提としたタイトルの開発だけを行っている会社も増加傾向にあります。

国内市場は、成長しているジャンルもありながらも、全体ではわずかばかり減少が見られます。

ここ何年かのトレンドとして、コンシューマーゲームユーザーが多くある北米と、パソコンゲームユーザーが多い中国という構造がありますから、これを放っておくことはできません。

少し前までは日本でヒットしたものをそっくりそのまま海外へ輸出するスタイルが通例でしたが、今後は最初から海外市場のニーズに合わせたゲームを作成していくことが繁栄のキーポイントになるでしょう。

また、シェアはダウンしているものの、海外市場が日本国内に対して独特の期待感を持っているのも現実なのです。

『スプラトゥーン』・『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』・『NieR:Automata』・『仁王』・『ダークソウル』などといった日本のオリジナリティーがあるタイトルは厚い支持を得ています。

ですので海外市場を意識すると言っても、その国にずっと前から存在するトレンド系ものを模倣するのではなく、その国の文化を意識しながら日本らしさを持つタイトルの開発を欠かすことが出来ません。

Youtubeまたは、Netflix等々の新しいアミューズメントがゲームそのもののシェアを圧迫しています。これからもこうした新しいアミューズメント媒体が現れてくるのは、歴史の連続性から見れば、回避できないことです。

しかし、ゲームにもバラエティーに富んだジャンルが存在しますし、業界そのものもクラウドゲームなどで新たな波を起こそうとしていますから、開発企業に関しましては時代にマッチした醍醐味のあるコンテンツを出し続けることが大事です。

しかしながら、課金制が悪いと言うことではないと思いますが、課金し続けることがプレイする面白さに繋がるシステムそのものが、ゲーム性とトレードオフになるトレンドがあります。

それをセンシティブに感じた、かつてのヘビーユーザーが離れていくトレンドもあり、ユーザー層の変化も発生しています。

要約すると、世界レベルで見たゲーム業界全容は余すところなく進歩を続けているのですが、国内のユーザーが同一の伸びで広がり続けているとは言えない状態にあります。

わかりやすく言うと、海外に進出していけば市場はたくさんあり、ブルーオーシャンはまだまだ広がっております。

また、日本にはe-Sportsというまだまだ未発達のジャンルがあって、この部分では国内需要も大きな伸びしろを有していると思われます。これを受け、一部分を見て気掛かりになるのではなく、発展の道をターゲットにして新しい手段を講じていくことこそゲーム業界に絶対必要な姿でしょう。