Microsoft Excelで丸印や角印、日付印、ビジネス印など、いろいろな電子印鑑が使える無料アドイン「Excel電子印鑑」の使い方や印鑑の作り方、インストール方法をご紹介します。
アドインとは、Excelの機能を拡張して作業効率を向上させるソフトウェアです。Excel電子印鑑は、Excelに電子印鑑の作成や押印機能を追加することができます。
Excel電子印鑑の特徴
Excel電子印鑑は、初心者でも簡単に使える電子印鑑アドインです。右クリックするだけで、認印やビジネス印などの電子印鑑を作成して押印することができます。
印鑑の種類も豊富で、認印・日付入りデーターネーム印をはじめ、「社外秘・重要・見本・至急」などのビジネス印、自分で作成したユーザー印にも対応しています。
オリジナル電子印鑑の作成も簡単にできます。PC内にある全てのフォントが利用可能で、色も40種類から選択可能、作成した印影はその場でプレビューできます。
エクセルで書類やビジネス文書を作成されている方は、「Excel電子印鑑」だけで大抵の押印作業をカバーすることができますよ。
電子印鑑の効力ですが、実印や代表印が必要な文書は別として、社内文書に必要な認印や、見積書・請求書に押印する角印であれば問題なく使えるので、コロナウイルスの影響で増加しているテレワークや在宅勤務の方にもオススメです。
Excel電子印鑑のダウンロード
まずはExcel電子印鑑をダウンロードして、PCにインストールしましょう。
今回は Excel2019 を使って解説しますが、Excelはバージョンによってインターフェイスが違うので、利用中のExcelに合わせて読み替えてください。
Excel電子印鑑のダウンロードは、以下の作者NOMBO氏のサイトからどうぞ。Excel のバージョンは2000 ~ 2019 まで、OSも windows10 まで対応とありますが、windows11でも使えます。
ダウンロードのリンクはサイト上部の「Excel電子印鑑/ダウンロード」という箇所です。
現在のバージョンは、2024/06/07更新の Version:2.82 です。作者NOMBOさんのサイト以外に、ベクターや窓の杜でもExcel電子印鑑をダウンロードできます。
Excel電子印鑑がウイルスと判定される場合
一部のセキュリティソフトでは、Excel電子印鑑をダウンロードすると、ウィルスと判定されることがあるようです。
公式ページの「よくある質問とその回答」を見ると、「Microsoft Defenderの使用を控えられた方が良いです。」とあるので、Microsoft Defenderの誤検出が多いみたいです。
ウイルス判定を避けるため、「Windowsセキュリティ」設定からExcel電子印鑑のアドイン又はファイルを選んで除外する方法があるので、参考にしてください。
Excel電子印鑑のインストール
続いてExcel電子印鑑をPCにインストールします。ダウンロードしたZIPファイルを解凍して、その中にある「アドインインストール用.xls」を開いてください。
Excelのマクロを有効にして、シート内の「インストールボタン」を押すと、Excel電子印鑑のインストールが始まります。
「インストール完了しました」というメッセージが表示されます。これで準備が整いました。
Excel電子印鑑のアンインストール
Excel電子印鑑のアンインストール方法も同じです。「アドインインストール用.xls」を開いてマクロを有効にしてから、「アンインストール」をクリックしてください。
設定情報を削除するか確認されるので、どちらかを選択するとアンイストールが完了します。
電子印鑑を作成する
ではExcel電子印鑑を使ってみましょう。セルの適当な位置で右クリックすると、メニューに「Excel電子印鑑」という項目が追加されています。ここから各項目に進んで、印鑑作成や押印を行います。
認印を作成
まずは電子印鑑の中から、簡単な認印を作成してみましょう。
メニュー内の「認印押印」に進んで、印鑑の名前が設定されていない場合のみ「名前を入力してください。」というメッセージが表示されるので、「OK」をクリックします。
印鑑設定が表示されました。ここで認印の設定を行います。上から名前を入力して、フォントや色などの各項目を選択していきます。最後に「OK」をクリックすると押印できます。
サンプルとして「佐藤」さんの認印を作成してみました。作成した認印はその場でプレビューできるので、いちいち押印して確認する必要はありません。
「名前を少し横長にする」にチェックを入れると、それらしい印影になります。あとは「背景を透明にする」で印影を透過画像にしておくと、文章の上から押印しても文字が隠れなくなります。
電子印鑑を押印する
Excel電子印鑑の押し方はとても簡単で、一度認印を作成したら、あとは右クリック→「認印押印」だけで押印することができます。
作成した認印を何種類か押印してみました。一番左が上記の設定、あとは色やフォント、大きさ、傾き、丸or小判形に変更したものです。
「名前を2段にする」をチェックすると、右下のような名前2列の印影が作成できます。
なお、登録できる認印は1種類だけで、複数登録はできません。別の認印を押印したり、形や色を変更するときは、その都度「印鑑設定」で名前等を変える必要があります。
作成した印影を修正・変更する場合も「印鑑設定」から行ってください。
何度も押印する場合
エクセルで電子印鑑を何度も押印される方は、「印鑑設定」の「その他」から「リボンにタブを表示し、ボタン操作可能にする」にチェックを入れて下さい。
これでリボンにExcel電子印鑑タブが表示され、1クリックで押印や設定できるようになります。
電子署名やパスワードは非対応
Excel電子印鑑には、電子印鑑のセキュリティを高める電子署名や、押印時のパスワードといった改ざん防止のための機能はありません。
電子印鑑のセキュリティ保護は、自分でエクセルにロックをかける等の対策が必要です。もしくは、電子署名などに対応したクラウド電子決裁サービスを使ってください。
Excel電子印鑑 データネーム印の作り方
続いてデータネーム印の作り方です。右クリックから「Excel電子印鑑」→「印鑑設定」に進み、上部タブ「データー印」で設定します。認印と同様に各項目を設定して下さい。
「語句上」には「受付・確認・承認・支払」など、ビジネスに用いる語句があらかじめ登録されています。もちろん、自分で語句を入力することもできますよ。
日付のフォーマットは各種用意されているので、用途に合ったものを選択してください。
「語句下」は好きな語句を入力するか、認印設定で入力した名前または「済」から選択します。
データネーム印のサンプルです。傾きとサイズは「画像として押印する」をチェックすると変更できます。
データネーム印は印影をクリックすると、押印後でも語句や日付を変更することができます。
ただし、「画像として押印する」で傾きやサイズを変更したものは不可です。日付は毎日変える必要があるので、データネーム印は画像化しないほうが使いやすいと思います。
Excel電子印鑑 角印の作り方
角印の作り方ですが、印鑑設定の「角印」から行います。まずは文字数の選択ですが、2×3の6文字、3×3の9文字、4×3の12文字から選択して、この中に納まるようにレイアウトします。
文字やレイアウトが決まったら、「画像化・サイズ調整して押印する」にチェックを入れると、印鑑の端まで文字が拡大して見栄えがよくなります。
あと、角印のレイアウトはコツがあります。角印に入力する会社名の文字数と、Excel電子印鑑のレイアウトが一致しない場合は、角印の字余りや字足らずが発生します。
一例として会社名が10文字の場合、9文字のレイアウトでは字余りになり、12文字のレイアウトでは字足らずになります。
その場合は「会社名 + 印」または「会社名 + 之印」を追加したり、会社名から「株式会社」「有限会社」等を外すと、うまくレイアウトできます。
Excel電子印鑑 ビジネス印の作り方
次はビジネス印の作り方です。こちらは押印するたびに「社外秘・見本・重要・禁複写」等の語句を選択します。ビジネス印でよく使う語句はあらかじめ用意されています。
語句が選択肢にない場合は、左下に語句を入力して「登録」してください。
方向は横書きと縦書きから選べます。フォントサイズを選ぶと印影のサイズが変わり、「外枠を常になしにする」をチェックすると縁無しで押印できます。
ビジネス印のサンプルです。「印鑑設定」であらかじめフォントや縦書きor横書き、外枠の有無を選択しておけば、同じフォーマットで押印できます。こちらもデータネーム印と同様に押印後の語句変更が可能です。
Excel電子印鑑 ユーザー印の作り方
ユーザー印とは、外部で作成した印鑑のことです。Excel電子印鑑では作成できない印影も、別途作成してユーザー印に登録すると押印することができます。
電子印鑑の作成は、本物の印影から作成する方法や、無料のソフトやアプリで作成する方法があります。下記の記事を参考にして作成してください。
白舟書体の「WEB認印」は認印以外に落款、風雅印も作成できるのでオススメですよ。
有料ですが、本格的な電子印鑑を格安で作成できるはんこ屋さんがあるので、こちらで作成した印相体や篆書体の電子印鑑を登録するという手もあります。
ユーザー印の登録は、作成済みの印影画像を選択するだけです。元の印影画像が大きすぎる場合は、サイズや比率をここで設定しておきます。
あとは右クリックで「ユーザー印押印」を選択すれば、登録済みの電子印鑑が押印されます。
Excel電子印鑑 エラーで使えない場合
Excel電子印鑑をインストールしてもエラーで使えない場合や、右クリックしても表示されない場合は、まず「Excelのオプション」からアドインが有効かどうかをチェックします。
アドインが「アクティブでないアプリケーション」、または「無効なアプリケーション」の場合は、下の管理から「Excelアドイン」を選択して「設定」をクリックします。
「有効なアドイン」の「Excel電子印鑑」にチェックを入れてOKします。これでもエラーが出る場合は、Excel電子印鑑を再インストールしてください。
他にも印鑑のサイズを空白にしたり、文字数の設定範囲を超えると、実行時エラーが表示されます。
この場合は、先に変更後の数値を入力してから、前の数値を消すとエラーになりません。
1004エラーの場合
他にも、Excel電子印鑑が使えない原因はいくつかあります。
マクロが無効だったりファイルが存在しないと、「実行時エラー’1004′ アプリケーション定義またはオブジェクト定義のエラーです」というメッセージが出るようです。
Excel電子印鑑の公式ページに「よくある質問とその回答/Q&Aリスト」があるので、こちらでエラーが出たり、使えない原因をチェックしてください。
エクセルのオススメ電子印鑑アドイン
Excel電子印鑑は、認印や角印、社印、日付印、ビジネス印の作成・押印だけでなく、ユーザー印も登録することができる便利なアドインです。
エクセルで作成した書類やビジネス文書の押印作業は「Excel電子印鑑」だけでほぼカバーできるので、ぜひ使ってみてください。
他の電子印鑑に関する記事はこちらをご覧ください。認印や日付印の作成方法や、PDFファイル、ワード、エクセル書類で電子印鑑を使用する方法を紹介しています。
あと、MacではExcel電子印鑑は使えませんが、代わりに「STAMPTOOLS」というMac用の電子印鑑作成・押印ツールを使うと、WordやExcelなどの文書に電子印鑑を押印できますよ。