応援する人がいるとウェルビーイングになる。
サントリーウエルネスがやっている第 2 回「人生 100 年時代の物語大賞」授賞式に呼んでいただいた。授賞式は5つの高齢者施設の心揺さぶるサポーターの物語が発表された。高齢化率が世界トップを走る日本では、「2025 年問題」が目前に迫っている。多くの人が人生100年時代の幸せな生き方に向き合うと考えらる中、健康寿命だけでなく、いつまでもウェルビーイングに生きる、健康かどうかに関わらず幸せを感じて生きられる期間を延ばす「幸福寿命」の延伸につながるアクションだ。
高齢者施設の高齢者や認知症の方など、日頃は「支えられる」場面の多い方が地元のJリーグのクラブを応援することで「支える」存在になることをめざす「Be supporters!」。この活動は、全国で約 230 施設・延べ約1 万人にまで広がっているそうだ。人生 100 年時代、いくつになってもワクワクと生きることの大切さを世の中に問いかけるこのアクションは、Welluluにも対談で出ていただいた元NHKの小国さんの発案で、博報堂の「VEGA」のエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターの近山さんもど真ん中で共創していた。
Be supporters!という物語のひとつひとつが感動できて、僕の涙腺は止まらない状態になった。5つの物語すべてが素晴らしく、高齢者施設の職員さんがいっしょに楽しんでいるところで、生きる勇気をもらう。
「生きる歓び」を何かのきっかけでつくることができただけで、お互いがお互いを支える存在になる。勇気を振り絞って行動していく人は、「生きる」ことに貪欲になっている。とても素晴らしいプロジェクトだし、とても素晴らしい「つながり」だ。これがまさに、ウェルビーイング共創社会だと感じる時間だった。
この「Be supporters!」は、お互いがお互いを支えあうし、お互いがお互いの笑顔を伝播させる。大賞をとったのは、「神戸に住む施設にいる83歳のテルコさん」の物語。地域密着型のこの活動は、サッカーを通じて高齢者が、自分たちの「没頭」をまずはつくる。83歳のテルコさんがサポーター活動を通じて、自分の故郷の鹿児島に行くきっかけをつくる。いっしょにサポーターとして応援したテルコさんを、選手がサポーターになってテルコさんを応援する。テルコさんは、最高の笑顔と夢を手に入れ、もう涙が止まらなかった。
この取り組みは、お互いがパワーを送り続けて、お互いがパワーを送りあえる環境をつくってきて、幸せをどんどん拡げていく、そして、どんどんお互いの関係性の質をあげていく。幸福寿命を延ばすということは大切な取り組みである。幸せを積み重ねていくかが大事になっている。幸福寿命は、人を幸福にする力を持っている。笑顔が素敵な方がまわりにいるだけで、その幸せは伝播して、自分にも幸福を授かっている。幸せに年齢を重ねていく人たちを見ることで、幸福寿命が増えていくし、いい影響につながっていく。
そんな素敵な発表会に参加させていただき、僕はドキュメンタリー映像を見ているような感じだった。終わった後、サントリーウエルネスさんのご配慮で、内田由紀子先生との対談も企画してくださった。ウェルビーイング学会でもお世話になっている内田先生とのお話はあっという間に過ぎていく楽しい時間だった。後ほど記事にしていこうと思う。
こんなプロジェクトをつくれる小国さんや近山さん、そしてサントリーウエルネスさんに敬意をもって、素晴らしい時間に「ありがとう」。そして、我々Welluluはこういったウェルビーイングの伝播していく活動をより多くの人に知ってもらう使命をもっていると感じる時間だった。
追記:元サッカー日本代表の内田選手もプレゼンターで来ていた。彼のエピソードが良かった。「サッカー選手をやっていたときに、自分の祖父母に自分を分かってもらうように、赤いスパイクを履いた。」
そう、、応援してくれる人には、応援してもらうためにまずは目立ってほしいのだ。僕も息子のサッカーの映像を自分の両親に送るときに背番号だけではなく、他にヘッドバンドとかつけてもらって、自分の孫を認識してもらいたい、と思っている。
堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー