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夫婦生活を始めると二人の関係性は日に日に変化していきます。

家族として絆が深くなるのは良いことですが、時には夜の営みが減る夫婦も少なくなくありません。

また、反対に相手の求めるセックス頻度が多すぎて「しんどい」と感じるケースもあるようです。

本記事では夫婦間でのセックスの平均頻度や、セックスレスの原因・解消法をご紹介していきます。

夜の営みが減った夫婦

夫婦のセックス平均頻度は?日本と海外を比較

日本は世界的に見てもセックス頻度が低いセックスレス大国といわれています。

日本の夫婦はいったいどれくらいのセックス回数なのか、2つの統計を見ていきましょう。

日本の夫婦のセックス頻度

相模ゴム工業株式会社が2018年に公表した調査「ニッポンのセックス」によると、結婚相手との1ヵ月のセックス平均頻度は「1.7回」です。

既婚・未婚を含めた回答結果では、40代になるとセックス頻度は20代の約半分、60代になると20代の約4分の1に低下していました。

また、既婚者の55.2%が「セックスレスだと思う」と回答しており、に40代から50代の男性の回答者が多かったとのこと。

40代前後からセックス頻度の低下に悩む夫婦が増えやすいと推測できます。

さらに、20代から30代の女性は「忙しくて時間がない」「疲れている」「子供や家族がいて機会が少ない」などがセックスレスの原因になっていると回答。

子育て・家事・仕事などの忙しさから、若い夫婦であってもセックスする余裕がなくなっていると思われます。

世界で見た夫婦のセックス頻度

コンドームメーカーDurexが発表した調査「世界各国のセックス頻度と性生活満足度」によると、日本の1年あたりのセックス回数の平均は「45回」でした。

頻度で言うと、1週間に1回以下(8日に1回)の割合です。

この数値は世界最下位で、日本の次にセックス平均頻度が少ないシンガポールは「73回」(頻度で言うと5日に1回程度)もセックスをしています。

ちなみに、世界トップ3位の平均頻度は以下のとおりです。

  • 1位:ギリシャ 138回
  • 2位:クロアチア 134回
  • 3位:セルビア・モンテ 128回

続いて、日本以外の主要国のセックス回数は以下のとおりです。

  • 6位:フランス 120回
  • 7位:イギリス 118回
  • 11位:アメリカ 113回
  • 17位:カナダ 108回
  • 20位:イタリア 106回

他の先進国と比べても、日本のセックス頻度は半分以下であることが分かります。

また、この調査には未婚者のセックス回数も含まれています。

前述した相模ゴム工業株式会社の調査によると、1ヵ月のセックス平均頻度は既婚者が「1.7回」、未婚の交際相手ありは「4.1回」、未婚の交際相手なしは「2.9回」でした。

このことから、日本では夫婦間のセックス頻度の低下、またその先のセックスレスが深刻であることがうかがえます。

夫婦のセックス頻度が減るとどうなる?

夫婦のセックス頻度が減るとどうなる?

夫婦のセックス頻度が減り「セックスレス」に発展すると、いったいどんな影響があるのでしょうか?

ただ性欲が解消されないだけでなく、いろいろな悪影響が考えられるんです。

不安やイライラを感じやすい

セックスをはじめとするスキンシップには、不安やイライラを解消する効果があるといわれています。

セックス頻度が高い夫婦はネガティブな気持ちが軽減され、夫婦仲が円満になりやすいのです。

しかしその反面、セックスできないと不安やイライラを感じやすくなります。心の拠り所が消えてしまったような“孤独感”に悩む人も多いようです。

浮気に発展しやすくなる

もし夫婦のどちらかが「本当はセックスしたい」「欲求不満が辛い」と悩めば、溜め込んだ性欲を抑えきれずに浮気するリスクが高まるのは想像に難くないでしょう。

また、身体の関係に発展しなくても、パートナー以外の異性を好きになるケースが少なくありません。

いずれの場合も罪悪感で胸がいっぱいになり、パートナーの浮気や気移りを知った側は、自分の愛情が全否定されたような強いショックを受けるでしょう。

些細な変化に気付けない

セックス頻度が高い夫婦は自然とコミュニケーションが増え、パートナーな些細な感情の変化に気付きやすくなります。

違和感に気付いた時点で「どうしたの?」と声をかけ、トラブルを未然に回避できることもあるでしょう。

しかし、夫婦のセックス頻度が減るとトラブルになってからしか対処できず、すれ違いが増えることも考えられます。

喧嘩が長引きやすい

夫婦のセックス頻度が高いと、喧嘩したあとも「また仲良しに戻りたい」「相手と向き合おう」と考え直しやすくなります。

単純に、それだけコミュニケーションを取る機会が多いからでしょうか。

反対に夫婦のセックス頻度が低いと仲直りするきっかけも少なくなり、「口をきかない」「顔を合わせない」などの行動を容易に取れてしまうようです。

セックスを通して「幸せ」「安心する」などのプラスな気持ちを共有できているからこそ、お互いに関係の修復を望むのでしょう。

女性・男性としての自信を喪失する

「自分に魅力がないからセックスレスなのかな……」と思うと、たちまち自信を喪失してしまうことにもつながります。

セックスを通して愛情を実感できるタイプの人にとって、セックスレスは自分の存在意義が揺らぐほどの問題なのです。

同じ理由で、「可愛い」「カッコいい」と褒め続けることも大切。

子供が生まれたとしても、年齢を重ねたとしても、いつまでもパートナーには「褒められたい」と感じるのが自然な心理です。

ホルモンの分泌が減りやすい

セックスすると男女ともにホルモンの分泌が盛んになり、若々しさやエネルギーが増すといわれています。

反対に夫婦のセックス頻度が減るとホルモンの分泌も減り、セックスしている夫婦に比べて老化が進みやすいと考えられているのです。

お肌のハリや髪のツヤなど、女性らしさや男性らしさをキープするのに、セックス習慣は大切な要素の一つといえます。

仲良しな夫婦と比べて落ち込む

夫婦間でセックスレスを受け入れてていても、他の夫婦と比べた途端に落ち込んでしまうことがあります。

「スキンシップが多くて幸せそう」「セックスが続いていていいな」

――こうした羨ましい気持ちが湧き上がると、自分の夫婦生活から大切なものが欠け落ちているような気分になるでしょう。

離婚を考えるようになる

セックスレスを理由に離婚する夫婦は少なくありません。

家族として良好な関係性だとしても、性生活が満たされないと愛情や信頼を実感できずに離婚を考える可能性が高まるのです

中には家族のことを配慮して「子供が大きくなったら離婚しよう」と考える夫婦もいます。

夫婦のセックス頻度が減るのはなぜ?

夫婦のセックス頻度が減るのはなぜ?

夫婦生活を続けるうえで、セックス頻度が減ってしまうのはなぜでしょうか?

前述した相模ゴム工業株式会社の調査「ニッポンのセックス」の回答結果を参考に、年代別の理由を分析していきます。

なお、回答項目には「相手からの愛が無い」「相手とのセックスに飽きている」がありますが、いずれも選択した人はごく少数でした。

つまり、愛情がなくなったわけではないということ。

にもかかわらずセックスしたがらないパートナー……その本音を知るヒントにしてみましょう。

20代夫婦のセックス頻度低下理由

男性の理由は以下のとおりです。

  • 1位 面倒くさい
  • 2位 仕事・家事が忙しく疲れている
  • 3位 性欲がない

続いて女性の理由は以下のとおりです。

  • 1位 性欲がない
  • 2位 仕事・家事が忙しく疲れている
  • 3位 面倒くさい

20代夫婦は男女ともに忙しさのあまり、セックスする余裕がなくなっていると考えられます。

また、女性はどの年代においても「性欲がない」が目立ちます。

妊娠・出産・育児をきっかけにセックスへの関心が減る「産後セックスレス」の傾向があるでしょう。

30代夫婦のセックス頻度低下理由

男性の理由は以下のとおりです。

  • 1位 面倒くさい
  • 2位 仕事・家事が忙しく疲れている
  • 3位 性欲がない

続いて女性の理由は以下のとおりです。

  • 1位 面倒くさい
  • 2位 仕事・家事が忙しく疲れている
  • 3位 性欲がない

男性は20代に比べて「仕事・仕事が忙しく疲れている」の比率が上がります。

キャリアアップしていく時期であることから、仕事の負担が重くのしかかるのかもしれません。

女性は20代に比べて「めんどくさい」と「仕事・家事が忙しく疲れている」が上昇しています。

男性と同様に仕事の負担が増したり、子育ての忙しさがピークに近づくことが原因ではないでしょうか。

いずれも相手への関心がなくなったのではなく、セックスと向き合う余裕がないことが直接の原因と思われます。

40代夫婦のセックス頻度低下理由

男性の理由は以下のとおりです。

  • 1位 面倒くさい
  • 2位 年齢的にもう良い
  • 3位 仕事・家事が忙しく疲れている

続いて女性の理由は以下のとおりです。

  • 1位 面倒くさい
  • 2位 性欲がない
  • 3位 仕事・家事が忙しく疲れている

上位には入っていませんが、女性も「年齢的にもう良い」の割合が急増しています。

40代あたりから「相手を異性として見れない」「ドキドキしない」「身体的にセックスできない」などの意見が多く、こうした理由をひっくるめて「年齢的にセックスできない」と回答しているのかもしれません。

「相手からの愛が無い」「相手とのセックスに飽きている」は低い数値のまま、むしろ減少傾向にあることから、パートナーに不満を抱いているわけではないようです

50代夫婦のセックス頻度低下理由

男性の理由は以下のとおりです。

  • 1位 年齢的にもう良い
  • 2位 面倒くさい
  • 3位 性欲がない

続いて女性の理由は以下のとおりです。

  • 1位 面倒くさい
  • 2位 年齢的にもう良い
  • 3位 性欲がない

男女ともにセックスへの関心が減り、性欲が後退していることがうかがえます。

男性の方が年齢が原因でセックスレスになる時期が早いため、40代から50代にかけて夫婦間でセックスの悩みが増えるかもしれません。

60代夫婦のセックス頻度低下理由

男性の理由は以下のとおりです。

  • 1位 年齢的にもう良い
  • 2位 面倒くさい
  • 3位 性欲がない

続いて女性の理由は以下のとおりです。

  • 1位 年齢的にもう良い
  • 2位 面倒くさい
  • 3位 性欲がない

60代になると男女ともに「年齢」「関心」「性欲の低下」を理由としています。

20代や30代は「忙しさ」などがメインの理由でしたが、年齢とともに精神的・身体的にセックスができなくなっていくようです。

夫婦のセックス頻度低下を解消したエピソード

実際にセックスレスを解消できた夫婦は、どんな工夫をしているのでしょうか?

セックス頻度を保つための方法を年代別にうかがってみました。

いつもと違う下着を試した

「旦那に喜んでほしくて色々な下着を試しています。一緒に選ぶ過程もドキドキして楽しいですよ。」(30代/女性)

下着の選び方次第で手軽に雰囲気を変えられます。

普段使いの下着とは別に、セックス用にセクシーな勝負下着を揃えるのがおすすめ。

男性は視覚から入る情報をもとに興奮を高めるため、「紐パン」「Tバック」「総レース」「ガーターベルト」などの定番のセクシーな下着を身に付けて誘ってみましょう。

普段受け身な側から誘ってみた

普段受け身な側から誘ってみた

「いつも夫任せだったので、勇気を出して自分から誘うようにしています。
恥ずかしそうな様子が萌えるらしくて嬉しい……!」(20代/女性)

夫婦のどちらかが消極的だとセックスの頻度が減りやすいようです。

セックスレス解消のために、時には勇気を出して自分から誘ってみることも大切。

また、相手主体のプレイが多い場合は、自分からも積極的に動いた方が盛り上がりやすいでしょう。

ピンクアングル(コンテンツ)

セックス以外のスキンシップを増やした

「セックスにこだわりすぎて、手を繋いだりキスすることすらなくなっていたんです。
軽いイチャイチャを増やしたら、セックスの回数も自然と元に戻りました。」(30代/男性)

セックスは「ボディタッチ」「ハグ」「キス」などの軽いスキンシップの延長にあります。

スキンシップそのものが減った状態では、セックスのハードルは高いでしょう。

そのため、まずはこちらの男性のように、セックス以外のイチャイチャを増やして夫婦仲を深めていくといいかもしれません。

家事・育児の分担を変えた

「簡単な家事だけでも手伝うようにしたら、妻の笑顔が増えてセックスしてくれるようになりました。」(30代/男性)

セックスレスの理由でご紹介したように、子育て中の女性は忙しさのあまりセックスする余裕がなくなってしまいがち。

こちらの男性は、「ゴミ出し」「お皿洗い」「トイレ掃除」などの数分でできる簡単な家事を手伝い、精神的にサポートしたそうです

これにより、奥様も心に余裕ができて、ちょっとずつセックスに応じるようになりました。

朝セックスに切り替えた

「夜は疲れ切っていたから、早めに寝て朝セックスするようにしました。
幸せな気持ちで毎日スタートできています。」(40代/男性)

夜は一日の疲れが集中してセックスどころではなくなることも……。

そこでおすすめなのが「朝セックス」です。

体力が満タンになった状態でセックスでき、男性は朝勃ちしているため挿入までがスムーズ。

さらに、朝セックスすることで「幸福感」「安心感」が一日続くメリットもあるそうです。

挿入をこだわらないことにした

「“挿入してイク”ことにこだわらなくなったら、些細なスキンシップでも愛情を実感できるようになりました。」(30代/女性)

「挿入しないといけない」「イかないといけない」と思うと、楽しいはずのセックスがプレッシャーに変わります。

また、セックス以外のスキンシップから愛情を感じ取りにくくなるでしょう。

挿入やイクことにこだわりすぎず、今の自分達にできるスキンシップを心から楽しむと、お互いに気持ちが楽になるかもしれません。

セックスする場所を変えてみた

「家では子供に見られる心配があったので、たまに実家に預けてホテルを利用するようになりました。
お婆ちゃん達も子供も楽しそうだから良かった」(40代/女性)

セックス頻度が減った夫婦の中には「子供に見られてしまった」と語るケースが少なくありません。

また、家の中では生活感がありすぎてムラムラしないという意見も。

こうした場合、セックスする場所を変えるとスイッチが切り替えられ、新鮮な気持ちでスキンシップを取れるでしょう

グッズを使ってみた

「『嫌がるかな?』ってグッズの利用を避けていたのですが、思いのほか嫁さんの方がハマっちゃって……」(50代/男性)

バイブ・ローターなどのグッズを使うと、新鮮なセックスが楽しめます。

また、身体的にセックスが難しい場合も、グッズの力を借りればアプローチを継続できるでしょう。

マンネリしている時は、目隠し・手錠などの刺激的なグッズを取り入れることもおすすめです。

ラブグッズ

セックス以外の夫婦の愛情にも目を向けてみて!

夫婦のセックス頻度が減るのには様々な原因があります。

セックスが無いと「愛されてるのかな?」「寂しい」と悪い方向へ考えそうになりますが、様々な調査結果を見ると愛情が無くなったとは限らないみたい。

あくまでも夫婦にとって、セックスはスキンシップの一つ。

ふとした「言葉」「行動」「軽いスキンシップ」などにも愛情は溢れています。

ぜひこうしたセックス以外の愛情にも目を向けながら、今回ご紹介したセックスレス理由・解消法をもとに、少しずつ夫婦の関わり方を工夫してみてください。

(岡あい/ライター)

(オトナの恋カツ編集部)