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局:TOKYO MX
放送日:2011/10/29
評価:SD-p
もう一つCMネタ。
カメラワーク的な動きのあるカットが大半なので安定した映像ではないけれど、小さめの円分布になるところがほとんど。キッズの放送で触れたアプコン処理の話でチェックしたフレームとはまったく異なる傾向で、くっきり感を積極的に無くしたようなはっきりしない絵になっている。
線を比較すると単純な拡大処理で得られる線よりかなり細くなっていて、鮮明に見せるための補正もしっかりやっている。という点でSD-pという評価も適切ではない気もするけれど、横720程度のジャギがわかりやすく残っているところもあるしアプコンはアプコンということで。
何より気になるのは彩度の低下で、キッズの放送の同じ絵のところと比較すると-40%以上淡色化した状態に近い。輝度のバランスはそれほど変わっていないけれど、キッズやテレ東の放送より線の黒浮きが激しく、まるで出来の悪いJC画質のHV映像を見ている気分。
さらに気になるのが背景などの潰れで、キッズの放送と比較しても背景の細かい描写が潰れてのっぺりした絵になってしまっている。CMでは本放送時より劣化が目立つ映像も多いけれど、その手の劣化というより線を細く見せる処理の副作用でディテールが喪失した感じで、むしろ単純なリサイズに近いアプコンの方が上質な絵に見えてしまいそう。実際キッズの映像の方が情報量も多く緻密な絵になっているし、線もしっかり暗くコントラストも十分で格段に鮮明に見える。
AV WATCHの記事のようなくっきりアプコンにするのだろう、と思っていただけにこのCMの画質は意外。CM用の編集の影響でこの質感になった可能性もないとは言えないけれど、オリジナルの雰囲気や色合いを維持しているわけでもないし、評判がよくなりそうな鮮明映像にしているわけでもなく、BDもCM通りだとすると何をしたいのかも謎な画質だ。