注意追記放送では局によって[16-235]の範囲外にある輝度情報が切り捨てられ、以下の変換でもあまり良いバランスにならないことがあります。手持ちのデータがどういう状態なのか、ヒストグラムで確認することを推奨。色や明るさが不自然に感じる映像はアニメに限らず見かけるけれど、ほとんどの場合正しい色や明るさを知る手段がないので、演出なのか問題があるのか、問題があるなら何がおかしのか、などを正しく判断することは難しい。
これも正解の色はわからないけれど参考になりそうな情報はいくつかある。ア ニメ公式ページ中の各話紹介にキャプ画像があるけれど、白飛びもなく色も十分自然に見え、さらに放送、DVDにはそのままでは存在しない画像もあるので、比較的生データに近いものを利用している可能性は高そう、ということで今回はこの公式画像の色を参考にして考えてみよう。
5人の髪、髪の影、顔、リボンの色を拾ったカラーチャート。ベタ塗り状態でもなく公式の画像含め圧縮ノイズによる乱れもあり誤差も大きい比較だけど、ある程度傾向は判断できる。
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一番上は放送そのままで表示される色。色や明るさは視聴環境に強く依存するためこれに近い色で表示されるとは限らないけれど、近い色で表示される場合も多いはず。特に顔の色は輝いて見えるくらい不自然に明るい。
一番下が公式ページから色を拾った目標となる色。
本編は[16-235]の範囲にあるべき輝度が[16-255]の明方向だけ伸張されているようにも見えるけれど、意図的に少し黒を浮かせた映像も多いので、素直に全体を[0-255]→[16-235]と補正してみる。ということで、avisynth的に
ColorYUV(levels="PC->TV")
したのが2番目。
この補正では色差も変化するけれど、薄くなってしまうものの顔の色の不自然さもなくなり、明るさのバランスも無難な映像になる。これだけで十分よくなるけれど、公式画像に比べて極端に淡色で、特に会長の髪色の差が目立つ。
ということで、彩度を50%上げた状態が3番目。完全に一致するわけでもないけれど全体に近い色になる。いくつかのアプローチを試してみたけれど、比較的簡単なこの補正が誤差が小さかった。
といってもこれが正しい補正というわけでも、公式の色が正解というわけでもなく、ビデオとPC上で見る画像では見やすいと感じるバランスも異なるので、近い色にすることが無難かどうかも微妙だけど、スケールの補正だけでなく好みに合わせて色を濃くした方がより自然に見えるようになるかも。
正しく認識している人も多いだろうけど、[16-235]の範囲しかないことを前提に処理するものや範囲外の情報を切り捨ててしまうものもあり、使用するフィルタ等の特性を把握しておく必要があります。この作品に興味がなくても、普通の映像では分かりにくい挙動を確認するのに都合のよい素材にはなりそう?