ワッシュ流カレー2017

ネット上には数多くのレシピ記事があり、いかなる料理にも賛否両論うず巻くのが定例であります。もっともシンプルな料理であるビーフステーキにも焼き方で数多くの宗派が存在し、それぞれのドグマをぶつけあう悲しいマラソンを続けております。あとすき焼きとかも鬼門です。

小林銅蟲の『めしにしましょう』でも、すき焼きがいかにめんどくさい人々をひきつけるかという不都合な真実から目をそむけずに描かれていました。
小林氏のブログ「パル」への反応を見ても、ああいった肉料理をネットで扱うことにより、いかにめんどくさい人々が集まってくるか如実にわかります。お得意の低温調理はとくに先鋭的な反応を引き起こすことで知られています。(ちなみにワスはこんな高いもの持ってません)

というわけでカレーです。



おそらくカレーぐらい宗教論争を呼び起こす料理もほかにないでありましょう。インド風にするか欧風にするか和風にするか、肉はチキンかビーフか、サラサラかトロトロか、それぞれの教義を信奉する使徒たちがセントラルドグマに集い、ほとばしる熱いパトスで思い出を裏切り続けているのが21世紀の地獄インターネットなのでありますですよ。


最近はタモリカレーの覇権もすっかり確立していますが、2時間煮込んで各種のスパイスやヨーグルトやチーズを駆使するあのレシピですら「簡単」と称されるこの阿修羅地獄。そこに、フライパンひとつで、台所に立ってから食卓まで1時間でできるこのレシピをぶち込むというのは、風車の巨人に立ち向かう蟷螂の斧というそしりを免れないでありましょう。でもやるんだよ!

ワッシュ流ポークカレーの材料(4人分)

  • 玉ねぎ:4個
  • 豚バラ肉(脂身の多いところ):300g
  • カレー粉:大さじ2

S&B 業務用カレー粉 400g

S&B 業務用カレー粉 400g

  • 小麦粉:大さじ2
  • バターまたはマーガリン:大さじ1
  • おろしにんにく/おろししょうが:大さじ1ずつ(チューブのやつでよい)
  • 炒め玉ねぎペースト/マンゴーチャツネ/フォン・ド・ヴォーペースト:各1パック

(ハウス食品のカレーパートナーシリーズは、いつだって強い味方である。なお省略してもできることはできる)
  • 砂糖と塩:大さじ1ずつ

作り方

  • 玉ねぎをできるだけ薄くスライスし、大きめの耐熱ボウルに入れて塩で揉み、電子レンジで12分ほど加熱する
  • その間に豚肉から脂身を切り取り、中火のフライパンで焼いて油を出しておく
  • 油がたっぷり出たフライパンに、レンジから取り出してしんなりした玉ねぎをぶち込み、にんにくとしょうが、そして大さじ1ほどの砂糖を加える
  • 15分ほどかき混ぜながら炒め(ヘラやお玉より菜箸のほうがやりやすいぞ!)、あめ色になるのを待つ
  • 豚肉を加え、あめ色玉ねぎをまぶすように炒める
  • 火を弱め、バターと小麦粉、カレー粉を入れてよく混ぜる
  • 4カップほど水を加え、カレーパートナー3種を入れる
  • よく混ぜて、とろみがつくまで煮る


ヨーグルトやトマトを加えてもいいけど、今回は玉ねぎと豚肉の旨みを味わうためのカレーにしました。前日から肉をスパイスに漬けこんでおく、とか肉と香味野菜を2時間ほど煮込んだスープを濾す、とかそういう手間はかけなくてもいいです。ぜひ一度おためしください。

おまけ:ワッシュ流大根とまいたけの混ぜご飯

  • 大根
  • 油揚げ
  • まいたけ
  • めんつゆ
  • バター
  • ご飯

手順

  • 大根を薄切りのいちょう切りにして、刻んだ油揚げ、ほぐしたまいたけといっしょにバターで炒め、めんつゆで濃いめに味をつける
  • 炊きたてのご飯にぶちこみ、よく混ぜる


これだけで立派な一食になるので、最近はよく作っています。この季節なら大根の葉っぱを加えても乙な味です。こちらも超簡単なのでおためしください。