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NASA職員、1万5000人が一時休職–米政府機関の閉鎖で
米連邦政府の予算が米国時間9月30日に失効して、連邦政府機関が一部閉鎖された。米航空宇宙局(NASA)の職員約1万5000人も一時休職となった。米メディアSpace.comが報じた。
CNN.co.jpによれば、米連邦議会の下院で可決された共和党のつなぎ予算案と医療費の政府補助の延長を盛り込んだ民主党のつなぎ予算案が上院で採決されたが、いずれも否決された。連邦政府の予算が9月30日深夜に失効したことを受けて、連邦政府機関の一部は閉鎖、一部の職員の一時休職が始まった。
NASAもほぼすべての日常業務を縮小しており、宇宙飛行士の安全、重要なハードウェア、ホワイトハウスの最優先事項を担当する、ごく一部の職員のみが業務を続けている。
国際宇宙ステーション(ISS)には人員が配置され、宇宙飛行士の安全とシステムの稼働を維持するために、通常通り24時間体制で勤務している。公共の安全に不可欠とされる地球観測衛星と気象衛星も運用を継続。気象や自然災害、宇宙ゴミ(スペースデブリ)などに関連したデータへのアクセスは確保されている。
予算が失効している間に、NASA職員1万8218人のうち1万5094人が一時休職となり、3100人強が「例外」として分類され、業務を続けている。これは、早ければ2026年2月5日にも打ち上げ予定の有人月周回ミッション「Artemis II」(アルテミス2号)を計画通りに打ち上げたいという、NASAの意向が反映されている。
NASAが主導する月探査計画「Artemis」は中国との競争に直面しており、もし米国がこの競争に敗れれば、地政学的な混乱につながると米議員らは警告している。Artemis IIに大幅な遅延が生じれば、後続ミッションにも影響が及ぶ可能性がある。
NASAは、施設の安全を確保し、例外ではない業務の閉鎖を完了させるのに半日ほどかかると見積もっている。
連邦法は、最終的には職員が未払いの給与を受け取ることを保証しているが、その支払い時期は政府閉鎖の継続期間と議会の対応の速さに左右される。
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Space.com
