歌川広重に魅了されたイタリア人が撮った「今の東京百景」

浮世絵師の歌川広重の傑作「名所江戸百景」。広重の晩年に当たる1856年2月から1858年10月にかけて制作されました。この作品に魅了されたイタリア人写真家、ジョゼッペ・デ・フランチェスコさんが、現代の東京百景を撮影。その写真展「東京百 HOMAGE TO HIROSHIGE 江戸百」が5月8日から開催されます。

「名所江戸百景」とは

その死の直前まで制作が続けられたという広重の代表作「名所江戸百景」。最終的には完成することができず、二代広重の補筆が加わって刊行されています。

何気ない江戸の風景ですが、近景と遠景の極端な切り取り方やズームアップを取り入れるなど、当時としては斬新な構図が多く、視覚的な面白さ、風景浮世絵としての完成度は随一とも言われています。江戸の人々を魅了し、当時のベストセラーになり、後摺りを重ねたほか、ゴッホやホイッスラーをはじめとする西洋の画家に多大な影響を与えたシリーズでもあります。

広重へのオマージュ

この160年ほど前に作られた作品に魅了されたイタリア人写真家、ジョゼッペ・デ・フランチェスコさんが、広重へのオマージュ作品として2016年からスタートした「東京百」というプロジェクトを完成させました。

写真家・Giuseppe De Francesco

このプロジェクトでは、「江戸百」の世界を彼独自の視点で解釈し、現代の東京をカメラに収めています。普段住み慣れているはずの東京の街が、新たな視点で表現されていることと、浮世絵の制作技術を継承するアダチ版画の彫師・摺師が色鮮やかに蘇らせた復刻版浮世絵「名所江戸百景」の中から厳選した名作を紹介します。

浮世絵と写真という二つの異なる表現を通して、広重が描いた「名所江戸百景」の魅力を改めて感じていただくとともに、時代を超えて人々を魅了する街「江戸・東京」をぜひ楽しんでみてください。

「赤坂の桐」時を超えシンクロする風景
「高輪消防署」江戸には火の見櫓があった場所に
「秋葉原の店」店も街行く人も変われど、似た景色
「お台場にガンダム」見比べるとガンダムの巨大さが実感できる不思議
「夜のトラック入金」どちらももの寂しい夜
「愛宕神社から丘の上の眺め」江戸も東京も神社はそのまま

もっと江戸と東京を見比べたい方は、ぜひ写真展に足を運んでくださいね。2018年5月8日(火)〜5月20日(日)の期間に下記の場所で開催しています。

観光地情報
  • 「東京百 HOMAGE TO HIROSHIGE 江戸百」
  • アダチ伝統木版画技術保存財団 常設展示場   東京都新宿区下落合3-13-17
  • 料金:入場無料
  • 日程:2018å¹´5月8日(火)〜5月20日(日)
  • 時間:火〜金曜 午前10時〜午後6時、土・日曜 午前10時〜午後5時、月曜・祝日 休館
  • foundation.adachi-hanga.com

image by: TOKYO HYAKU 東京百

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旅をこよなく愛する編集者。情報誌やエンタテインメント誌、ビジネス誌などで編集・ライターとして経験を積み、中国上海、カンボジア・プノンペンでの在住経験も有。2015年に帰国してからフリーライターとしてワークスタイルを確立。幅広いジャンルのテーマで執筆している。

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