竹熊さんが語る諸星大二郎作「暗黒神話」の裏話
「ジャンプ」に連載された「暗黒神話」のネームには、更に長いバージョンがあった
と言うことであれば、高橋葉介や高野文子のような作家は現代だとデビューできないわけですね@kentaro666 今の商業漫画界には、彼ほどの逸材であっても居場所が無いのです。
2014-02-10 22:55:48.@namake5963 そういうことになります。諸星大二郎、星野之宣なども現在ではデビュー困難でしょう。岩明均、望月峯太郎氏あたりでギリギリだったと思います。
2014-02-10 23:19:40私は諸星大二郎氏の仕事場で、氏が70年代少年ジャンプで連載した初期長篇『暗黒神話』の元ネームを見せて戴いた事があります。見て驚愕。私が初めて読むシーンやエピソードのてんこ盛りでした。連載は10回程度の短期集中で単行本は全1巻でしたが、元ネームはどう見ても2、3冊分はありました。
2014-02-11 00:39:57諸星氏は10回の連載の為に1年をかけて最後までのネームを執筆し、それから編集者の要求に合わせて削ったことになります。諸星氏が実質的デビューを果たした70年代中期までの少年ジャンプは、長期連載主義とは異質の作り方が許容されていたと言えます。
2014-02-11 00:43:03諸星大二郎氏がオリジナルの構想に基づいた『完全版・暗黒神話』をご自分で執筆されるのかは分かりません。しかし編集家として私が少年ジャンプさんに提案したいのは、ご本家をネーム原作・監修に据えた完全版を、ジャンプが誇る現代最高峰の作画陣のどなたかによって漫画化すればいいと思う訳です。
2014-02-11 01:06:03ワンパンマン方式です。オリジナルネームは完成版よりさらに起伏に富んだ、波乱万丈の物語…だったと思います。少なくとも井の頭公園に宇宙開闢の秘密が隠されていたなんて知りませんでした。…ね、読んでみたいでしょう?
2014-02-11 01:09:54@kentaro666 確か諸星先生の妖怪ハンターを別の作画で書いた…というのが最近ありましたね。内容はオリジナルだったと思いますが。http://t.co/FnMYM1BAFSこんなですが。
2014-02-11 01:10:19.@SagamiNoriaki それです。その方式で構わないから、オリジナル構想に基づいた『暗黒神話』を私は読んで見たいのです。諸星さんがOKすれば。
2014-02-11 01:12:10@kentaro666 私もそういうの見てみたいですね‼ とはいえ、レビューを見ると、なかなか厳しそうです…まずあの絵柄というか作風にほれ込んでいるファンがかなりいそうなので、それだけに反発も大きいかも…
2014-02-11 01:15:48@kentaro666 @SagamiNoriaki 竹熊さんの様な方が諸星氏との間に立ちプロデュースし、 「諸星氏の意に沿った≒ファンの望む」作品となるのであれば、 別の作家さんによる「真・暗黒神話」も読んでみたい気はします。
2014-02-11 02:58:33元ネームに基づく別バージョン「暗黒神話」、、読んでみたい!!「ジャンプ」さん検討してみて!
ファンタジーの描き方など
私は双葉社で86年に諸星大二郎氏、翌年星野之宣氏の特集ムックを編集しました。先のエピソードはその時の物です。諸星氏とは半期違いで手塚賞デビューした星野氏も、短篇型作家である自己の資質と編集部の商業的要請とのギャップに苦しんだそうですが、諸星氏の作り方を知って視界が開けたそうです。
2014-02-11 01:36:02星野氏は「例え長篇であっても、諸星氏のように最後までネームを切ってから取り組むなら、自分にも連載できると思った」と、私に話して下さいました。その時のインタビューは、本に載っている筈。
2014-02-11 01:38:38私などが申すまでもなく、諸星大二郎氏は、真のオリジナリティを持った、現代日本最高峰のファンタジー作家なのです。神様手塚治虫が脱帽し、世界の宮崎駿が自作の随所でパクり捲ってなお賞賛を隠さない、世界有数のファンタジー作家なのです。エルフがどうこうしたとは次元が違うのです。
2014-02-11 02:10:12【再掲】学生に自由に漫画を描いてもらうと、学園物か私小説風の作品かファンタジーが八〜九割。なんでかな、と思っていたが、そうか、取材も資料調べも必要ないからだと納得した。新人賞の応募作もその傾向が強いが、「調べて描く」事ができたら、それだけでライバルに差を付けられると思うのだが。
2014-02-11 03:16:38[承前]先ほどのTweetは836日前に呟き、私の過去6番目にRTの多いTweetである。私が何を言いたいかと言うと、諸星大二郎氏の描くファンタジーは典型的な「調べて描く」ファンタジーだということである。私が氏を取材したのは86年で『西遊妖猿伝』の最初の連載が行われた時期。
2014-02-11 03:21:00私が諸星氏の仕事場で最初に目撃したものは、机の前に貼ってあった、東京都23区の地図と、その上に同縮尺で唐時代の長安をトレーシングペーパーで重ね合わせた地図だった。長安は丁度山手線圏内にスッポリ収まる大きさ。北の玄武門の辺りを巣鴨に見たてると、南の明知門は品川の辺りと分かる。
2014-02-11 03:32:50私が驚いたのは、唐の長安洛内の「距離感」を肉体的に実感するために、諸星氏が自分の足で巣鴨から品川まで、地図を片手に実際に歩いた事実に対してである。これが諸星氏の古代中国の街を「実感」する方法だったのである。
2014-02-11 03:37:11これから商業デビューを目指す新人さんへ。二次創作とまで言わなくても、創作する上で先人の影響を受けることは、人として避けられません。ですから影響受けたことを恥じたり、ことさらに隠す必要はないと思います。最悪なのは、それが影響だと自覚せずに自分のオリジナルと錯覚してしまうことです。
2014-02-11 14:22:40新人が鳥山明氏や井上雄彦氏などをリスペクトするのは大いに結構ですし、そうした作家に影響された作品を描くのも仕方がないでしょう。しかし漫画界には既に鳥山氏や井上氏が存在しているのですよ。同時に、そうした作家さんの影響下にあるライバルも無数にいるわけです。
2014-02-11 14:30:25なぜ新人が判で押したようにありがちファンタジーを描きたがるのか、私は不思議でなりません。デビューして作家人生を送りたいのでしょう? なんでわざわざ競争率の高いフィールドで戦おうとするのですか? そこで勝って、鳥山明を越えられると本気で思っているのでしょうか?
2014-02-11 14:37:54小学館で「サルまん」初代担当者であり、現IKKI編集長である江上氏には、漫画編集者としての「夢」があったことを私は知っています。一生に一度でいいから平田弘史先生と諸星大二郎先生から原稿を戴くことです。平田先生の伊豆の自宅には3年ほど通い詰めたそうですが、遂に叶いませんでした。
2014-02-11 14:50:26江上氏は、私の知る範囲で最高ランクの優秀な編集者ですが、平田先生に対しては、編集者として明らかにパワー負けしたと思います。諸星大二郎氏に関しては、とても寡黙で、平田先生ほどの人外魔境的な部分は一見感じられないのですが、作家としてはほぼ同格。やはり原稿がとれませんでした。
2014-02-11 15:17:22メーカーのエンジニアでしたが今は大学院で勉強中です。 くわしいのは電気工学、半導体、数学、物理、心理学と数理神経学と非線形物理、あとはアニメとマンガと外国語です http://togetter.com/mt/bokudentw http://twilog.org/bokudentw