スリー・ダーティー・ニンジャボンド #4
(「急ぎましょう!」ワタアメがそそくさと準備を終え、サイバー馬に荷物をくくりつけた。そこにフォレストの背嚢は無い。ニンジャスレイヤーもまた馬へ近づいたが、彼のニンジャ聴力はその時、遠くに異変を感じ取った。地鳴り。そして地平を見やり、砂塵に気づいた。「……懲りもせず来おったな」)
2011-12-16 19:38:11「ハハーッ!」「ハーッ、ハーッ!」「ハァー!」砂塵は見る間に大きくなる。「早く乗れ」ジェノサイドはワタアメの背中を叩いて急がせた。バズソーが荒々しく大地を噛む。「俺はここでやる。二つに分けて始末だ。先に行ってろ」サイバー馬に同乗したニンジャスレイヤーとワタアメに言い放つ。 1
2011-12-16 19:48:28「ジェノサイド=サン」ワタアメが振り返ろうとする。「承知した」ニンジャスレイヤーはサイバー馬にひと蹴り入れて駆け出した。地平線の襲撃者は目ざとくそれに気づき、砂塵が二つに分かれる。「さァ来やがれ、出来損ないのクズどもめ」ジェノサイドがゴロゴロと喉を鳴らした。 2
2011-12-16 19:52:30「ヒィーハハハ!」「アッハー!」先陣を切ってくるのは、ナムサン、犬どころか、あれはバイオ熊の病みものであろうか?スモトリほどもある毛無しの桃色の獣が二頭!それぞれの背に鬼人がまたがるが、乗り手もまた図抜けて大きい。8フィートはあるだろう!手にはサスマタを持ち、突っ込んでくる! 3
2011-12-16 19:57:49ジェノサイドは仁王立ちとなり、両腕をしならせる。鎖が跳ね、バズソーが弧を描いて襲いかかる!「イヤーッ!」チュイイイイ!「GRRRR!」「ガフッ!ガフッ!」どろりと濁った血液と臓物を噴き散らし、鬼熊がバズソーの餌食!だが、なかば崩れながらもその突進は止まらぬ!「ヒィーハハハ!」 4
2011-12-16 20:03:56バズソーがいまだ鬼熊を苛むなか、鬼人はこの隙にジェノサイドをつき殺さんとサスマタを振り上げる。ジェノサイドは両腕をかかげた。鎖つきバズソーは手首の鉄輪に接続されており、彼の拳は自由なのだ……ワン・インチ距離の敵に対して彼が用いるのは己の拳!ネクロ・カラテ! 5
2011-12-16 20:40:55「ハハーッ!」突き下ろされるサスマタを掴み、乗り手を引きずり降ろす!そして、「イヤーッ!」「アバーッ!」金床めいたストンピングで鬼人の頭部を踏みつけ粉砕!もう一人が突きにかかる頃には、鬼熊をクズ肉に変え終えたバズソーが両脇から襲いかかる!「アバッアバババーッ!」 6
2011-12-16 20:46:26「ヒヒーッハハ!」「アーッハハハ!」「ヒィーッ!」敵を殺し終えたジェノサイドの背後へ、さらなる新手が殺到!一人がその手の猟銃を発砲、至近距離でこれを肩に受けたジェノサイドはよろめく!睨み返すジェノサイド!「俺は!」「ヒヒヒーッ!」「ヒィーハハ!」「ヒーッ!」「ジェノサイドだ!」7
2011-12-16 20:50:38血と肉を絡みつかせたバズソーが、ジェノサイドの身体の周囲を竜巻めいて激しく旋回!ドォン!ドォン!鳴らされ続ける太鼓!なおも襲いかかる巨大な猟犬!鬼人!ライフル銃!削り取られる腐肉!おお、これは……錯覚であってくれないのか?数の力に、ジェノサイドが徐々に押されていないか? 8
2011-12-16 20:58:28「お前ッ!」ナムサン!さらに、ゼェゼェと濁った呼吸を繰り返す奇怪なニンジャがジェノサイドの目の前に飛び降りる!手足が長い異形ニンジャ、メンポの奥の瞳は三つ!「俺とどっちが不死身だァ……!お、俺は、ハイドラ!サヴァイヴァー・ドージョー!」「取り込み中だ!クソカスがァ! 」 9
2011-12-16 21:04:29鬼人だかりの奥から、鎖つきバズソーがハイドラめがけていきなり真っ直ぐに飛び出す!「グワーッ!?」バズソーで胴体を切断され、ハイドラの上半身が地べたに転がる!ハイドラはしかし手で地面を這いながら笑う「痛くもなんともねェ!……そうだ、遊び過ぎるなって兄者に言われてたんだ」 10
2011-12-16 21:30:57ハイドラは地面に顔を突っ伏し、震え出す、するとズボリと湿った音を立て、下半身が元通りに丸々生えた!コワイ!「俺はよォー!不死身なんだよォー!」ハイドラが立ち上がる!その直後、ジェノサイドのバズソーが舞い狂い、取り付いていた鬼人を全て吹き飛ばす!おお、だがジェノサイドは……! 11
2011-12-16 21:37:28「ハァー……」肩で息するジェノサイドのカソックはズタズタに傷つき、破れた箇所からおぞましく崩れかかった腐肉がのぞく!ゾンビーの肉体が!彼は背中に手を回し、突き刺さったままのサスマタを引き抜いた。「あとはテメェ一匹か」銃創まみれのウエスタンハットが傾き、射殺すような視線が飛ぶ!12
2011-12-16 21:42:46「一騎打ちだ!」ハイドラは叫んだ。腰から下の装束は破け、生殖器官の無い、爬虫類のミイラめいた不気味な身体が露わだ。彼は残りの装束も自ら剥ぎ取った。なんたる呪われた肉体!カラテを構え、吼える!「ルオオオオ!」「イヤーッ!」ジェノサイドのバズソーが襲いかかる! 13
2011-12-16 21:51:11バヂュン!左腕が吹き飛ぶ!だがハイドラは突進!「イヤーッ!」ハイドラの右手チョップ!「グワーッ!」左肩に攻撃を受け、ジェノサイドの身体が沈む!反撃にもう一方のバズソーが跳ねる!チュン!ハイドラの頭が吹き飛ぶ!「イヤーッ!」前蹴り!ハイドラの腹部を直撃、頭の無い身体が倒れる!14
2011-12-16 21:59:48「……」大の字に倒れた首無しのハイドラが激しく痙攣する。ジェノサイドはそれを睨み下ろす。と、ハイドラの左腕が生えた!遅れて頭が生えた!新たな三眼がジェノサイドを見上げる。「俺は不死身だァ……」「そうかい、やるじゃねェか」ジェノサイドは腕を振った。バズソーが再び回転を始める! 15
2011-12-16 22:03:37「イヤーッ!」ハイドラは素早く起き上がり、瞬時に跳躍!バズソーが襲いかかる!左腕と右脚を切断!そのままハイドラは残る左脚でジェノサイドの側頭部を蹴る!嫌な軋み音が鳴り、ジェノサイドの首がほぼ真後ろを向いた!ジェノサイドはその蹴り足をマンリキめいた握力で掴み、地面に叩きつける!16
2011-12-16 22:12:03「イヤーッ!」さらにジェノサイドは叩きつけられたハイドラの頭をストンピング、踏み潰した!それだけでは終わらぬ!両腕を高く掲げると、空中に二つのバズソーが跳ね上がる!「俺は……」振り下ろす!「ジェノサイドだ!」マグロ解体めいてハイドラの胴体を切断!さらに振り上げる!「俺は!」 17
2011-12-16 22:17:54切断された四肢が生え変わる。頭もだ!だがジェノサイドは構わぬ!「俺はジェノサイド!」振り下ろす!振り上げる!「俺はジェノサイド!」振り下ろす!「俺は!ジェノサイドだ!」ナムアミダブツ! 18
2011-12-16 22:22:53「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」速駆けしながら大きく曲がるサイバー馬の背中に直立し、ニンジャスレイヤーはスリケンを連続投擲!「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」彼の手が小刻みに動くたび、狼めいた怪物にまたがった鬼人が死んで転げ落ちる。 20
2011-12-17 00:30:13「アオオーン!」乗り手を失った四匹がサイバー馬めがけて突進してくる!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは馬から跳び、手近の一匹の頭を蹴り潰す!「アバーッ!」その反動で隣の一匹に向けてジャンプ!「イヤーッ!」頭を蹴り潰す!「アバーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!」「イヤーッ!」21
2011-12-17 00:33:54「アバーッ!」ナムサン!一瞬にして四匹を葬り去ると、回転ジャンプしながら、走り来た馬の背に再び戻る!ワタアメは馬の背から振り落とされぬよう必死だ。「もう少し辛抱しろ」ニンジャスレイヤーが彼女を振り返り低く言った。「GRRRR!」前方にスモトリよりも大きい熊の怪物が飛び出す! 22
2011-12-17 00:36:26「ヌウーッ」ニンジャスレイヤーがニューロンを加速させ、この獣の効率的な殺戮方法を四種類の中から選択しようとした時だ!「イヤーッ!」スリケンが別方向から飛来し、サイバー馬の頭部を破壊!「グワーッ!?」ニンジャスレイヤーは咄嗟にワタアメを庇いながら、共にサイバー馬を飛び降りる! 23
2011-12-17 00:54:17難病(全身性エリテマトーデスと抗リン脂質抗体症候群)を発症してしまい、現在活動休止中です。(2016 年春~) ニンジャヘッズ(ニンジャスレイヤー中毒者)です。 人々の日々の生活クオリティを向上させるために、サイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」の普及活動を行っています。