テッポウエビは4000℃以上の衝撃波を出すが、自身の脳をどう守っているのかよくわかっていなかった🦐🧠 本日発表された論文で、その防御機構が明らかとなった⛑🪖 ACN. Kingston, et al. “Snapping shrimp have helmets that protect their brains by dampening shock waves” Curr Biol, Jul 05 2022. pic.twitter.com/qnFdoVkK22
2022-07-06 14:29:14テッポウエビはハサミを急速に閉じることで4000℃を超える高温で超音速の高振幅の衝撃波を出す🦐 これにより他のテッポウエビを威嚇したり、獲物に外傷を与えることができる。 そのため他のテッポウエビからの衝撃波を被ることはもちろんのこと、自分自身の衝撃波を受ける可能性が考えられる。 pic.twitter.com/kF2Ppkcw22
2022-07-06 14:29:35今日発表された論文では、テッポウエビは目の下にフード構造を持っていることが明らかとなった(写真のc参照)🦐 このフードがないエビは衝撃波を受けると運動制御ができなくなり、圧力センサーの実験から水を閉じ込め、排出することで衝撃波を緩和することが明らかとなった。 pic.twitter.com/EAA1hynBit
2022-07-06 14:30:08テッポウエビは普段は巣穴で生活し、脅威を感じたときや不慣れな環境ではすぐに巣穴を探す。 そのために筆者らは、テッポウエビがそもそも衝撃波の影響を受けるか(方向感覚や運動制御の喪失)、フード構造が衝撃波の影響を防げるかの4通りの行動実験から、巣穴に到着する時間を評価した。
2022-07-06 14:32:14結果としては、フード構造を除去したエビは、図A, Bの一番左のように巣穴に到着する時間や直立姿勢になるまでの時間にが多くかかった。 そのためテッポウエビが衝撃波の影響は、運動制御の喪失といった他の生物が衝撃波を受けたときの神経外傷と一致していた。 pic.twitter.com/58VclIvLGr
2022-07-06 14:32:42更に圧力センサーを用いた実験でフード構造の有無で、テッポウエビのフード構造が衝撃波が軽減できていることを確かめた。 またテッポウエビ自身が発する衝撃波は、衝撃波を受けた対象が受ける衝撃波の大きさと同等であることも確かめた。 pic.twitter.com/jfvAguQxWt
2022-07-06 14:33:05ここで一つの疑問として、外骨格を持つ甲殻類であるテッポウエビは自身の固い外殻で衝撃波を防いでいる可能性がある。 その疑問を解消するためにフード構造の有無で外殻内外で衝撃波を記録した。 その結果、フード構造は衝撃波の大きさを変えるが、外殻の内外では衝撃波の大きさは変わらなかった。 pic.twitter.com/LNukbFYCTA
2022-07-06 14:33:47ここまでの結果から、フード構造がどのように衝撃波を防いでいるのかという疑問が生じる。 そこで圧力センサーの実験から、テッポウエビのフード構造前方の開口部は、水を閉じ込め排出することで衝撃波を緩和することで脳を守っていることが明らかとなった。
2022-07-06 14:34:04以上の結果から、テッポウエビのフード構造は、衝撃波を減衰させ流ことにより神経外傷の短期的な行動への悪影響から自身を保護することが示された🦐 このフード構造を、筆者らは初めて発見された生物学的アーマーシステムと述べている。
2022-07-06 14:34:15筆者らは、爆発物やその他の衝撃波の発生源を扱う人間の保護用ヘッドギアの改良につながり、ヒトの頭部を爆風による神経外傷からより良く守るヘルメットの設計に役立つかもしれないと述べている。
2022-07-06 14:34:301, 3, 5~7ツイート目 原著論文 (Open access) cell.com/current-biolog… 2ツイート目 Physics of Fluids group, the University of Twente pof.tnw.utwente.nl
2022-07-06 14:34:50【参考文献】 Snapping shrimps have helmets to ward off shock waves from their claws newscientist.com/article/232738… Bioinspired mechanical device generates plasma in water via cavitation science.org/doi/10.1126/sc…
2022-07-06 14:35:07【原著論文】 ACN. Kingston, et al. “Snapping shrimp have helmets that protect their brains by dampening shock waves” Curr Biol Jul 05 2022 cell.com/current-biolog…
2022-07-06 14:35:22普段はyoutubeにて生命科学にまつわる動画などを投稿・配信をしています🧬🔬 気になる方はチャンネル登録していただけると嬉しいです! youtube.com/channel/UC40s5…
2022-07-07 08:03:54Q1. 衝撃波を表すのに温度はあまりよくないのでは? 衝撃波を表す指標としては圧力・振幅などありますが、直感的にわかりやすい温度を用いました。4000℃以上という数値は下記の論文を参考にしています。 Snapping shrimp make flashing bubbles nature.com/articles/35097…
2022-07-07 08:12:51テッポウエビに詳しい方に伺ったところ、4000℃以上という数値は実験事実ではなくキャビテーション気泡の崩壊に伴う発光現象(ソノルミネッセンス)が見られたことから類推されたものでまだ実証されていないとのことです。 多泡性ソノルミネッセンス自体は3000~5000℃にもなるため、こう言われています。
2022-07-07 23:01:52要約すると外骨格から切り離されたフード状の内骨格が導入された水圧を介して脳を守るショックアブソーバーになってるという感じかな? メカニカル! twitter.com/takatoh_life/s…
2022-07-07 09:04:514000℃は流石に嘘やろって思って軽く調べたけどソノルミネッセンスっていう現象が本当にあるのね ↓wikipediaの動画がわかりやすいかと ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD… twitter.com/takatoh_life/s…
2022-07-07 15:49:02@takatoh_life ホワイトブリントのカメラアイ保護するやつやんw pic.twitter.com/GR6gEofdnj
2022-07-07 12:43:44生物学的アーマーシステムという言葉にシビれた! 自然ってすごい! twitter.com/takatoh_life/s…
2022-07-07 16:02:25特定ジャンルを定期的に、TL上で気になったトピックスがあれば突発的にまとめを作成するマンです。 ためになったり・笑えたり・なるほどねーと思ったり・たまに見返したくなったりするまとめ作成を心掛けたいと思います。 基本的に自分で作成したまとめのコメント欄への操作や介入はしません(追加のお知らせや応答出来る範囲の回答、荒らし行為を行うアカウントへの対処はこの限りではありません)