日米英の教育機関で放蕩した。P2からD1まで国連で26年働いた。仕事のほとんどは戦場だった。難民保護、人道支援、平和維持活動、対テロ対策、平和安全保障センター長、ブロックチェーン顧問などの仕事を経て、 2019年国連を退職した。著書『カブールノート』幻冬舎2001年。
1) 昨日、5月1日のクオモNY州知事の会見の最初のスライドは、これ。NY州で最初のコロナ感染者が発見されてから62日目という意味。3月1日の第一号感染者かちょうど2ヶ月経った。そこで、今日は今までに起こったことを振り返ることにしたらしい。これは絶妙のタイミングだと思った。 pic.twitter.com/XcuAQWVnRr
2020-05-03 07:48:202) 5月1日はホワイトハウスの「ソーシャルディスタンシングのガイドライン」が切れて、「再開のためのガイドライン」が始まる。ここで一種の勘違いか意図的な解釈か分からないが、もうソーシャルディスタンシングはしなくて良い派が力をつけて混乱が始まっている。
2020-05-03 07:48:203) 「ガイドライン」中の”14日間連続で感染者が現象”という再開の条件の一つを満たした州は一つもないのだが、もう再開に走る州が出てきている。 ホワイトハウスが「ガイドライン」を作った意図は、この範囲内で各州が具体的な再開プランを作るということなのだが、それを理解できない州がある。
2020-05-03 07:48:214) 数的には、NY州やCA州のようなまともな州の方が多い。彼らは隣接州と同盟を作って、再開プランを作成している。住民の忍耐と経済的体力の二つが切れる前に、感染の再爆発を防ぎながら再開するという課題を解くために頭脳を結集して考えているというのが彼らの現状だ。
2020-05-03 07:48:215) だから、最近のクオモ氏の会見はその計画作成プロセスを詳しく説明していた。毎日それがより詳しくなっていくのだが、州民は迷路に入っていったかもしれないと思う。なので、ここで小休止して2ヶ月を振り返るのは良いタイミングだと思った。
2020-05-03 07:48:216) これを覚えているかと言って見せたのが、このスライド。ほんの30日前の感染者は毎日増え続けていたのだ。この頃にはもう誰もが、3月1日に最初の感染者一人が発見されたなんておかしいと薄々思い始めたはずだ。そして、3月1日の時点でNY州だけで1万人が感染していたという推定が最近になって出た。 pic.twitter.com/TxLTwTbkxn
2020-05-03 08:10:057) 次のスライドがこれ。4月に入って感染者数が増加が止まり、減り始めた。これをクオモ氏は、ニューヨーカーを主語にして語った。これは全ての予測モデルの予測を裏切った。「しかし、モデルが間違っていたのではない。ニューヨーカーが現実を変えたのだ」と表現した。 pic.twitter.com/Go7v7jynfF
2020-05-03 08:10:068) もっと具体的には、予測された入院患者の数を10万人減らしたのは、あなたたち、ニューヨーカーなのだと言う。あなたたちが10万人の命を救ったのだと。 pic.twitter.com/TOCypoA1Dk
2020-05-03 08:10:069) 私たちの今日の行動が、明日、病に倒れる人の数を決定するのです。 やはりクオモ氏の意図ははっきりしていると思う。全米で崩れそうになっているロックダウン体制をなんとか維持しようとしているのだろう。強権的なやり方を嫌う彼は、事実やデータを出し続けることで州民は理解すると期待している。 pic.twitter.com/0gMrdOid3q
2020-05-03 08:15:3810) 現状は、左上のグラフのように、入院患者数は確実に毎日減っている。右上のグラフは1日の入院患者の増減だが、毎日マイナスになっている。つまり入院者数が減っていること裏付けている。しかし、右下のグラフが示すのは毎日の入院者数は激減しているわけではない。左下のグラフがこの先の疑問。 pic.twitter.com/dlMxpB5jCY
2020-05-03 08:24:0411) NY州のピークは過ぎたとメディアも言うが、毎日新しく入ってくる入院患者の数が1,000弱で続いていることにクオモ氏は拘る。これは多過ぎるではないかと。そして、これを減らす努力をするというのだが、いったいこれは誰で、どこから来るんだという疑問にぶつかる。 pic.twitter.com/FdH0SfnaPr
2020-05-03 08:40:5612) そこで、彼は新規入院患者の属性の集計して出すことを命じた。その統計を元にして対策を作ろうと言う。 このスライドにあるように、 - 住所 - 必須ワーカーか - どこで仕事していたか - どうやって仕事にいってたか - どこに住んでいるか - 老人ホームから来たのか - 性別、年齢、健康状態 - 人種 pic.twitter.com/QLSZYZWN89
2020-05-03 08:40:5613) 死者の数も着実に減ってきている。2週間くらい前はこの4倍近い数で毎日死んでいた。しかし、それでも多過ぎると彼は言う。この数字に彼は一番悩まされているように見える。 pic.twitter.com/Fk0Walz0mF
2020-05-03 08:44:2314) この後、彼は教育に関して、これまで実施したことのまとめをかなり長くやった。夏休みが近くにつれ、学校はいつ始まるのか、サマースクールはどうなるのかみたいな質問が毎日ある。それをまとめて答えようとしたように見えた。 まず市や郡ごとではなく、NY州全体で一つのポリシーを適用する。 pic.twitter.com/FuF0DuQvAs
2020-05-03 08:58:3115) これまでやったことの復習だが、 - 全ての学校を3月18日までに閉鎖した - 学年を修了するための180日間出席の要件を免除した - 遠隔教育を開始した - 食事の配達開始した - 必須ワーカーにチャイルケアを開始した - 大学は3月19日から遠隔教育に移行した - 住居が必要な学生以外はキャンパスは閉鎖 pic.twitter.com/jdKew317AD
2020-05-03 08:58:3216) 学校は密度が高く、感染拡大のリスクが高い。 - 700の公立学区に4,800校あり、生徒数は259万人 - 1,800の私立学校があり、生徒数は40万人 - NY州立大学とNY市立大学の89のキャンパスに、学生数は70万人 - 100以上の私立大学に、学生数50万人 - 幼稚園から大学まで含めて、全部で420万人の生徒 pic.twitter.com/fZa8akyldb
2020-05-03 09:06:4317) 以上が教育に関するコロナ対策のまとめで、ここからクオモ氏は直近で何が起こるかを説明し始める。 基本方針は、生徒と教育者を守るのが私たちの使命だ、と言うもの。NY州は異様に学校が多く、州予算に占める教育費の割合が一番大きいそうだ。 pic.twitter.com/l8Xv3ar9He
2020-05-03 09:37:4018) 最初の重大発表は、幼稚園から大学まで全て、今学年は再開しないということ。アメリカは9月が新学期なので、もう今学期はこのまま閉めて、6月中に始まる夏休みに突入する。その間、遠隔教育を続けるということだ。 9月からどうなるかはまだ決まってない。 pic.twitter.com/WiEQi6uQ7S
2020-05-03 09:37:4019) アメリカではサマースクールというものが盛んなのだけど、それをどうするかはまだ決まっていない。5月末までに発表するそうだ。それまで食事供給プログラムや、必須ワーカーのチャイルドケア・プログラムは続く。 pic.twitter.com/6JPVACfxYq
2020-05-03 09:42:4120) クオモ氏は、再開計画について話す時、それは単なるReopen ではない、Reimagine なのだとしばしば言うのだが、教育についても、Reimegine についてNY州政府チームが精力的に研究している。このスライドはさらっと通り過ぎたが、よく読めば彼らが何を検討しているのか分かる。 pic.twitter.com/akcKaGQpeR
2020-05-03 09:58:4221) - 学校はコロナ感染が広まってないかどうやってモニターするか - 子供の親の信用はどうやって得られるか - 生徒の安全をどうやって確保するか - 課外活動はいつ、どうやって再開できるか - 特別な必要がいる生徒のための制度は変わるか - 大学のキャンパスでの、居住、食事、集会など (続く) pic.twitter.com/rukM4xpDkE
2020-05-03 09:58:4322) - 学生のメンタルヘルス - 大学は官民のシステムとどうやって協力し最も貢献できるか - 学年の開始・終了の時期は? まだ、何も決まってないが、彼らがかなり細かいところまで議論に入ってるのは想像できる。 pic.twitter.com/sBd2ynPll0
2020-05-03 09:58:4323) 次に彼が取り上げた分野は、メンタルヘルスでした。これまで、メンタルヘルスに関してのケアは何度も出てきたけど、今回はそれを全部一つにまとめた報告だったので、非常にすっきりした。 そして、当たり前だけど、この会見は住民サービスの一貫でもあるのだということを思い出す内容でした。 pic.twitter.com/J0p6zbvfSd
2020-05-03 10:23:4124) 全てのニューヨーカーにとって、コロナ危機はメンタルヘルスの危機でもある。 不安、鬱、不眠、孤独、孤立、アルコール・ドラッグ消費の増加などが起きる。 pic.twitter.com/zuYAv0dueH
2020-05-03 10:23:41