美しいけれど毒がある『パリグリーン』の壁紙やドレスの話「このドレスを着た女性は次々と原因不明の早死に…」

壁紙やドレスなど。1852年ってロンドン万博の1年後か。
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山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

撮影用に、毒の壁紙の額縁を、150年ぶりに開封してる。1852年から、開けられてないっぽい。 pic.twitter.com/OkZPFe89en

2018-02-04 02:38:25
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

この、ヒ素を含んだ鮮やかな緑の顔料、パリグリーンは、カビが生えると毒ガスを出す。ナポレオンを殺したのは、この壁紙じゃないかと言われるぐらい。 pic.twitter.com/R7xrEQ6LU6

2018-02-04 02:41:45
ゆっくり会計士 @yukkurikaikeisi

@fluor_doublet @satokeso ナポレオンの姉妹はジョゼフィーヌが緑のドレスを買ったと知って、嫌がらせに舞踏会の壁という壁を緑にしたことがあります。

2018-02-04 18:54:43
ブランフェムト @egULour6W03pFqt

@fluor_doublet ナポレオンの死因は毒盛られた(ヒ素)と見た事あるけど壁紙だったのか。

2018-02-05 12:26:48
ハナコ🍎 @_omomomo

パリグリーンとヒ素の話、ナポレオンがめっちゃお気に入りの色(そもそもナポナポめっちゃ緑色好き)、政務室をはじめとする室内をとある緑色で統一してたとかいういわれがあって、その「とある緑」をフラ語だとvert empire とかvert impérial とかいって、これがパリグリーンてやつ多分。。

2018-02-05 19:32:38
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

今は、塩素化フタロシアニン銅のフタロシアニングリーンがあるから、鮮やかな緑色顔料には困らないけれど、150年前は、こんな厄介な色を使っていたのよね。

2018-02-04 02:43:49
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

ちなみに、パリ・グリーン (Paris green) って、なんかロマンチックな名前っぽいけど、ただ単にパリの地下水道のドブネズミ殺しに使われただけですから。

2018-02-04 02:46:28
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

亜ヒ酸銅系顔料は主に二つありまして、普通の亜ヒ酸銅が、シェーレ・グリーン(左)酢酸銅から作るアセト亜ヒ酸銅が、パリ・グリーン(右)です。パリ・グリーンはいろんな呼び名があるんですが、「エメラルドグリーン」とかつて呼ばれたのは、こいつです。 pic.twitter.com/XAvlzBB6IU

2018-02-04 02:55:54
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

顔料としては、カビが生えると毒ガスを出して部屋の住人を病気にしてしまうのが明るみに出て、1850年ぐらいから使用が減りますが、ナス科の植物(タバコ、トマト、ジャガイモ)の害虫に劇的に効くらしく、農薬としてはだいぶ後まで作ってました。

2018-02-04 02:58:23
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

マラリア蚊をぶっ殺すのに、蚊の住んでそうな水たまりに放り込むって使い方を第二次世界大戦後までしてたらしいです。

2018-02-04 02:59:29
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

1880年頃のアメリカで刷られたパリ・グリーンの農薬トレーディングカード。当時、ブルックリンには多くの顔料・染料企業が林立し、多くの製品を生産していたが、パリ・グリーンはその毒性の強さもあって、1800年代末は顔料使用より農薬としての利用のほうが盛んだった。 pic.twitter.com/6UK22XCwrE

2018-02-05 01:40:52
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

“Shadows from the Walls of Death” や、"Bitten by Witch Fever" の壁紙見本と比べ、だぶさんコレクションがすごく凝ったデザインなのかがわかるかと思います。なんかこれ、展示会で特別に刷ったものらしいのです。色を見ると、パリ・グリーンを使ってるな、ってのが瞬時にわかります。 pic.twitter.com/2zF5Ni6xpy

2018-02-05 02:25:23
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

パリ・グリーンの緑は、独特の青みの強い緑で、カメラで取ろうとするとひどくホワイトバランスが高温側に転ぶんですよね。

2018-02-05 02:27:02
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

無機化学者のグメリンが「その壁紙は危ないからやめろ」と新聞記事を掲載したにもかかわらずしばらく使い続けていたのは、壁紙業者が拒否したからです。当時、銅製錬でヒ素がいっぱい出てきて、ヒ素が余ってたんですよね。で、何度も何度も顔料の名前を変えて逃げ続けて、混乱の原因になりました。

2018-02-05 02:41:38
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

それもあって、パリ・グリーンはいっぱい別名があります。一番有名なのは「エメラルド・グリーン」でしょうか。まあでもこの名は当初から使ってたらしいんですけれども。

2018-02-05 02:42:46
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

人間が、理想の「色」に行きつくまでに、どれだけ苦労したかがわかるかと思います。大昔の顔料は、毒ばっかりです。それを克服できたのは「化学」の力でもあります。

2018-02-05 02:54:25
山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

そう考えると、ラピス・ラズリはあの鮮やかな色でありつつ、いっさいの毒性を出さない、ってのは奇跡的ですね。紀元前から今現在まで、途切れることなく使われている数少ない色です。まあ、天然から合成に切り替わり、値段は千分の一になりましたが。

2018-02-05 02:57:13

ドレスになったパリグリーン

ドレスは毒以外にも、暖炉の火が引火!などの事故が多かったようですね。

山猫だぶ㌠ @fluor_doublet

ビクトリア朝のドレス、面白いですよね。パリグリーンで染めてあるんですよ。たぶん、酢酸銅で媒染して、それを亜ヒ酸ナトリウム水溶液に放り込んで煮て洗って、を繰り返し染めたんでしょうね。きれいですよね。着たらヒ素中毒になるというおまけつき。 hyperallergic.com/133571/fatal-v… pic.twitter.com/iRyu04de90

2018-02-05 13:00:27
リンク Hyperallergic Fatal Victorian Fashion and the Allure of the Poison Garment Opened this week at the Bata Shoe Museum in Toronto, Fashion Victims: The Pleasures and Perils of Dress in the 19th Century explores the dangers of style not just for the wearers, but for the people who made the clothing as well. 436
翁也@新エリー都 @AI_Shinonome

このドレスを着た女性は必ず死にます。

2018-02-05 19:19:57
ほほほ @ez5

@fluor_doublet @nasumoku 染色業者はいったい何人死んでるんだ?くらいのインパクトですね!

2018-02-05 15:07:29
まとめたひと
猫目 @nekome006

常に猫さんが好きです。最近、NNNに負けて元野良の猫兄弟と暮らしています。今のアイコンはうちの猫の肉球。触ると怒られますが、拡大して見ていいですよ。