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NEC LaVie Z(LaVie G タイプ Z)の実機レビュー

更新日:2012年8月26日

わずか875gのウルトラブック

LaVie Z(LaVie G タイプ Z)は、 重量がわずか875gしかない13.3型ウルトラブックです。

さらに、画面解像度がHD+(1600x900ドット)となっておりデスクトップ領域を広く使うことができます。

重量875gで、高解像度液晶という構成は、多くのモバイルユーザーが待ち望んでいたことでしょう。

ただ、液晶は見やすいか、キーボードは打ちやすいか、実際のバッテリ駆動時間はどの位かなどスペックには現れない点が気になっている方も多いと思います。本記事ではそのあたりを中心にレビューしていきます。

メーカーサイト:LaVie G タイプ Z

※レビュー機は当サイトでの購入製品です

目次

LaVie Z(LaVie G タイプ Z) の基本スペック

LaVie Z(LaVie G タイプ Z)の基本スペックをチェックします。※2012年夏モデルの情報です。他のモデルの場合はスペックが異なる可能性があります。
※LaVie Z ・・・ 家電量販店で販売されているカタログモデルの名称。CPUなどは固定。Office付属。
※LaVie G タイプ Z ・・・ メーカー直販店「NEC Direct」が販売するカスタマイズモデル。CPUやOfficeをカスタマイズ可能。カスタマイズできる点以外はLaVie Zと同じ。

CPU
第3世代インテルCPUのCore i5-3317UまたはCore i7-3517Uです。
グラフィックカード
CPU内蔵(インテル HD グラフィックス 4000)です。
液晶ディスプレイ
13.3型ワイド1600x900)の光沢液晶ディスプレイです。
メモリ
4GB固定です。他の容量は選択できません。
 
ハードディスク
ハードディスクは選択できません。SSDのみです。
SSD
128GBまたは256GBのSSDを搭載可能です。
 
光学ドライブ
光学ドライブは非搭載です。
 
バッテリ駆動時間
メーカー公表値で約8.1時間です。実測値は後述します。

本レビューでは、Core i5-3317U、128GB SSDのカタログモデルと、Core i7-3517U、256GB SSDのカスタマイズモデルの2機種でレビューしています。

特徴1 - 重量わずか875g

LaVie Z

本機の特徴は、メーカー公表値で重量が875gしかない点です。

未だかつて、同サイズのモバイルノートPCで、ここまで軽いPCを見たことがありません。実際に持ってみても、他のモバイルPCと明らかに重さが違います。

実際に重量を計測してみましたが、メーカー公表値よりもさらに軽い863gでした。今回、スペックが異なる2台のPCを購入しましたが、もう1つのPCも、862gとほぼ同じ重量でした。

ACアダプターは実測値で285gと標準的な重さです。ACアダプターは薄さが1.8cmしかなくカバンへの収納性は良いです。


重量の実測結果


ACアダプターの形状

特徴2 - HD+(1600x900)の高解像度液晶で作業がしやすい

LaVie ZおよびLaVie G タイプ Zは、1600x900の液晶解像度となっており、デスクトップ領域を広く使えます。一般的なモバイルPCの解像度は1366x768で、見え方の違いは下の画像のようになります。1600x900の解像度の方が、Webページの下の方まで表示できているのが分かると思います。

ただし、文字サイズは小さくなります。ご年配の方や、大きい文字が好きな方、眼の悪い方などには向かないかもしれませんが、通常の視力の若い方であれば特に気にならない文字サイズではないかと思います。


LaVie Z搭載のHD+液晶と、一般的なノートPCのHD液晶との違い

特徴3 - 14.9mmの極薄ボディ



ゴム足を含めた高さの実測は約18mm

LaVie Z(LaVie G タイプ Z)はメーカー公表値で約14.9mmという薄さです。

ゴム足を含めた高さを計測しても約18mmしかありません。

ウルトラブックの中でも、薄い方です。

 

特徴4 - 高速SSD搭載で起動が速い

LaVie Z(LaVie G タイプ Z)は、高速なSSDを搭載しており、PCの起動などが高速です。

下の表が実測した結果です。スリープへの移行時間がそれほど速くはないですが、その他の起動・停止時間は高速であると思います。

Core i7-3517U+256GB SSDの機種と、Core i5-3317U+128GB SSDの機種で実測しましたが、前者の機種の方がCPUが高速なだけあって若干速かったです。

PC起動時間など
テスト内容 Core i7-3517U
256GB SSD
Core i5-3317U
128GB SSD
通常停止/起動 PC停止時間 約12秒 約15秒
PC起動時間 約19秒 約20秒
スリープ移行/復帰 スリープへの移行時間 約13秒 約16秒
スリープからの復帰時間 約1.5秒 約1.5秒
PC起動時間は、電源ボタンを押してからデスクトップ画面が表示されるまでの時間

CrystalDiskMarkのベンチマーク

SSDのCrystal DiskMarkのベンチマーク結果は次の通りです。256GB SSDも、128GB SSDも速度差はほとんどありません。両方とも高速なSSDです。


LaVie G タイプ Zに搭載されていた256GB SSDと、LaVie Zに搭載されていた128GB SSD

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

光沢液晶であるため映り込みはあるものの、ギラつきがあるわけでもなく普通に使える液晶です。


正面からの画像

 

詳細を確認していきます。

画面への映り込みは割とあります。


映り込み

 

視野角は普通のノートPCと同等程度で、それほど良くはありません。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

ガンマ補正曲線を確認すると、多くのPCと同じように、青色が低めに、赤が高めに"補正"されています。そのため実際の画面は青色が強調されています。寒色系の画面ですが、一般の方は少し青っぽい画面に慣れているため気にはならないでしょう。


ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください

 

色域はやや狭いです。


ガモット図(a*b*平面)
左図はsRGBとの比較で、右図はadobe RGBとの比較
※ i1 BASIC PROでICCプロファイルを作成後、ICCViewでグラフを作成

 

画素はシンプルな形状です。ギラつきは感じません。


画素の拡大図
※マイクロスコープ(FS-SST240 )で撮影

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

本機はキーストロークが浅いです。メーカー公表値では約1.2mmとなっています。ただ、実際に打つと同じキーストロークのウルトラブックよりも浅い(短い)感じがします。

キーピッチは、横:18mm × 縦:18mmとなっており、標準的な値です。縦のキーピッチが十分確保されていたのは良かったと思います。

実際にキー入力してみた最初の感想としては、キーストロークの浅さが気になり、あまり打ちやすいとは思いませんでした。ただし、軽くタッチするような打ち方に変えることにより、それほど気にならなくなりました。慣れれば気にならない範囲だと思います。


キーボード全体図


キーボードの拡大図

 

タッチパッドの操作感は普通です。手のホームポジションよりタッチパッドはやや右寄りですが、手のひらがタッチパッドへ大きく被ることもなく、キー入力している最中にマウスポインタが誤動作することはほとんどありません。

クリックボタンとタッチパネルは一体型ですが、軽い力でクリックできるため、割と押しやすいです。


タッチパッド

総合ベンチマーク

各種ベンチマークの結果を掲載します。

Core i7-3517U+256GB SSDの構成と、Core i5-3317U+128GB SSDの構成のPCでテストしています。ディスク関連のスコアは非常に良いです。

今回、シングルチャネル(1枚挿し)のメモリであるため、メモリ関連のスコアはそれほど良くありません。軽さを追求しているため、デュアルチャネル(2枚挿し)にはしなかったのだと思います。

Core i5-3317UよりCore i7-3517UのほうがCPU関連のスコアは良いですが、その差は1.1~1.2倍程度でした。

Windows エクスペリエンスインデックス

PassMark Performance Test 7.0

3DMark06(1.2.0 1901)


解像度:1280x720で実施

動画のエンコード時間のチェック


ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5

動画のエンコード時間のチェックです。

ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5 を用いて、x264およびクイック・シンク・ビデオでエンコードしたときの時間を計測しました。

結果は、下の表のとおりです。

Core i5-3317UよりCore i7-3517UのCPUを搭載したPCの方が、エンコード時間は若干短かったですが、差はそれほどでもありませんでした。

クイック・シンク・ビデオを使ったエンコードは、両CPUともインテル HD グラフィックス 4000であるため、差はほとんどありませんでした。


TMPGEnc Video Mastering Works 5 によるエンコード時間
エンコード方法 Core i7-3517U Core i5-3317U
x264でエンコード 36分23秒 37分40秒
クイック・シンク・ビデオでエンコード 14分41秒 14分44秒
AVCHDの動画(ファイルサイズ:1.54GB、再生時間:約13分、解像度:1920x1080)を、
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換

バッテリ駆動時間のチェック


バッテリ駆動時間は下記表を参照

LaVie Z(LaVie G タイプ Z)のバッテリ駆動時間のチェックです。

動画(解像度:720x480)をリピート再生し、休止状態になるまでのバッテリ駆動時間を計測しました。

バッテリ駆動時間の計測結果は、次の表のとおりです。他のウルトラブックは5時間程度は駆動するため、本機はそれほど長い駆動時間ではありません。Core i7-3517U+256GB SSDの構成のPCと、Core i5-3317U+128GB SSDの構成のPCでテストしましたが、両社にそれほど差はありませんでした。

バッテリ駆動時間(動画再生)
  Core i7-3517U
256GB SSD
Core i5-3317U
128GB SSD
動画再生時のバッテリ駆動時間 3時間37分 3時間44分
※動画解像度:720x480、画面輝度:中間値「4」

 

筆者は、モバイルノートパソコンを使用するとき、WiMAXまたは無線LANをオン、メールを定期的に受信、Web閲覧、文書作成を主に行っていますが、大体、上の動画再生時のバッテリ駆動時間と同等になります。

ただ、もっとライトに使う方もいると思うため、今回、定期的なWeb巡回とキーストローク「0123456789の入力」を自動で行うBBenchソフトによるバッテリ駆動時間も計測したところ、5時間3分でした。

バッテリ駆動時間(BBench)
  Core i7-3517U
256GB SSD
Core i5-3317U
128GB SSD
BBenchでのバッテリ駆動時間
未実施 5時間03分
※Web巡回間隔:60秒、キーストローク間隔:10秒、画面輝度:中間値「4」

 

また、本機は1時間で約80%まで急速充電できる機能も搭載されています。実際に何時間後にどの位バッテリが充電されるか計測してみた結果が下の表です。約1時間後にはバッテリ残量6%から89%まで充電が出来ています。満充電になるまでの時間も、1時間54分と短いです。

充電時のバッテリ残量の推移
  充電開始 30分後 1時間後 1時間54分後
バッテリ残量
6% ※ 53% 89% 100%
※バッテリ使用時に自動で休止した状態から充電を初めているため、バッテリ残量は0%ではありません

 

カードリーダー/ライターのチェック

内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。

スロットは本体の左側面にあります。


SDカード挿入後の外観

対応しているカードは次の通りです。

対応カード

SD(SDHC、SDXC含む)

カードリーダー/ライターのCrystalDiskMarkのベンチマーク結果は次の通りです。高速なSDカードリーダー/ライターと言えます。


 

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