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デル XPS 13 (9350) の実機レビュー
CPU | Core Ultra 5 226V Core Ultra 7 256V Core Ultra 7 258V Core Ultra 9 288V |
---|---|
メモリ | 16GB / 32GB |
ストレージ | 512GB ~ 2TB SSD |
画面サイズ | 13.4インチ 16:10 |
画面種類 | 1920x1200 非タッチ 2880x1800 OLED タッチ 2560x1600 タッチ |
質量 | 約1.18kg~ |
バッテリー | 55Wh |
価格[税込] | 26万円台~ |
XPS 13 (9350)は、インテル Core Ultra シリーズ2を搭載しパワーアップした、人気のモバイルノートPCです。
性能が上がっただけでなく、バッテリー駆動時間も延びたので、モバイルノートPCとして使いやすくなりました。
近未来的なデザインは踏襲しており、境目のないタッチパッド、タイルを敷き詰めたようなキーボードなど、秀逸のデザインです。
性能だけでなくデザインも妥協したくないユーザーにおすすめです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core Ultra 7 258V、32GBメモリ、1TB SSD、2880x1800 OLED
目次
お忙しい方は、「XPS 13 (9350)の特徴」のみお読みください。
XPS 13 (9350)の特徴
Core Ultra シリーズ2で性能アップ
人気のXPS 13シリーズが、インテル Core Ultra シリーズ2を搭載し、パワーアップしました。
従来機種に搭載されていたCore Ultra 7 155Hと、新機種のCore Ultra 7 258Vとを比較すると、CPUのマルチコア性能は低くなっているものの、CPUのシングルコア性能、グラフィックス性能、NPU性能は高くなっており、トータル的に見て、多くのソフトが快適に動きます。
また、省電力性能が高いので、当サイトで計測したバッテリー駆動時間を比較すると、約1.5倍も長くなっています。
※Core Ultra7 155Hのスコアは別機種で計測
※Core Ultra7 155Hのスコアは別機種で計測
※Core Ultra7 155Hのスコアは別機種で計測
デザインが秀逸
XPS 13 (9350)は、従来機種からデザインは踏襲しており、非常に高級感のある見ためです。CNC加工のアルミ削り出しボディで、非常に質感がいいです。サイド部分の仕上げなど、細部にも質の良さが表れています。
ディスプレイは、4辺が狭額ベゼルで、ガラスにはGorilla Glass 3を使用しており、エレガントです。
キーボードについても、スクェアのタイルを敷き詰めたようになっており、普通のノートPCのキーボードとはとは一線を画すデザインです。
また、タッチパッドは、パームレストとの境目がないシームレスなデザインが特徴的です。
さらに、ファンクションキーが物理キーではなく、LEDで光るタッチ式になっています。
PCの電源をオフにすると、このLEDは消灯し、とてもシンプルな見た目になります。
選べるディスプレイ
XPS 13 (9350)のディスプレイは、1920x1200ドットの標準的な液晶、2880x1800ドットの有機EL、2560x1600ドットの液晶の3つから選ぶことができます。いずれも低反射で映り込みが抑えられています。また、有機EL以外は120Hz対応です。
今回は、有機ELディスプレイを搭載していますが、色鮮やかで画像や映像が綺麗です。また反射が抑えられているので、映り込みも気になりません。
やや残念な点
XPS 13 (9350)のやや残念な点としては、ポート類が、Thunderbolt4が2ポートのみとなっている点です。HDMIやUSB-Aなどのポートがありません。
また、デザイン性重視であるため、キーボードやファンクションキーはやや打ちにくさを感じます。ただ、キーボードに関しては慣れれば問題ないと思います。
各用途の快適度
XPS 13 (9350) の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 画面サイズが13.4型とやや小さいですが、性能は十分で快適Web閲覧などができます。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | ディスプレイが色鮮やかで、スピーカー音もいいので、動画鑑賞も快適です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | ディスプレイの色域が広いので、画像編集などにも適しています。 |
動画編集 | ○ | 内蔵GPU性能が高いので、動画編集も割とできます。ただ、アニメーションなどを多用する場合は、独立GPUを搭載したノートPCがおすすめです。 |
ゲーム | △~○ | 軽めのゲームであればできます。一部のディスプレイは、120Hzの高リフレッシュレートにも対応しています。 |
ディスプレイのチェック
前述しましたが、XPS 13 9350のディスプレイは、以下の3種類があります。
バッテリー駆動時間重視なら、(1)のディスプレイがいいでしょう。
鮮やかな色表現に引き締まった黒の、綺麗な画像・映像を表示したいなら、(2)の有機ELがいいでしょう。
有機ELは焼き付きなどの管理が面倒なので好きではないけれど、色域は妥協したくない方は(3)がいいでしょう。
XPS 13 (9340)で選択できるディスプレイ
(1) 1920x1200, 非タッチ, 非光沢, 500nit, 100% sRGB, 120Hz
(2) 2880x1800, 有機EL, タッチ, 光沢(反射防止), 400nit, 100% DCI-P3, 60Hz
(3) 2560x1600, タッチ, 光沢(反射防止), 500nit, 100% DCI-P3, 120Hz
今回は(2)の有機ELを搭載しており、特性は下の通りとなります。タブもクリックしてご覧下さい。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は以下の通りで広いです。最大輝度は、当サイトの計測では394cd/m2とやや高めでした。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 100% |
Adobe RGBカバー率 | 96% |
キーボードおよびタッチパッドのチェック
XPS 13 9350のキーボードは、やや打ちにくさを感じますが、慣れれが問題ないでしょう。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mmと十分な間隔です。キーストロークは約1mmで浅めです。キートップは0.3mmくぼんでいます。小さいキーがほとんどない点は良いですが、キーとキーの隙間が狭いので、キーを押すときに、隣のキーを一緒に押しやすいです。
また、backspaceキーの位置がやや左にずれているので、ここもタイプミスしやすいですが、指は届きやすい位置にあるので、逆に慣れれば打ちやすく感じるかもしれません。
タッチパッドとパームレストの境目が分からないと思いますが、タッチパッド部分は割と広めになっているので、適当に指を動かせば反応します。
ファンクションキーおよびメディアキーが物理キーではなく、タッチ式になっています。「delete」キーも同様です。物理ボタンと比べると、ブラインドタッチで押しにくいです。これらのキーをよく使う方はご注意下さい。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
XPS 13 9350のパフォーマンスのチェックです。
ここでは、デフォルトの「最適化」と、最もパフォーマンスが出る「超高パフォーマンス」で、ベンチマークソフトを実行します。
CPU
CPUは、インテル Core Ultraシリーズ2を搭載しており、今回は、Core Ultra 7 258Vです。
マルチコアのスコアはそれほど高くありませんが、シングルコアのスコアは高いです。~ CPU性能の評価 ~
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリはCPUに統合されており高速です。
グラフィックス
グラフィックス性能は、CPU内蔵のものとしては非常に高いです。GeForce RTX 2050の独立グラフィックスに迫るスコアが出ていました。
~ グラフィックス性能の評価 ~
NPU
NPU性能は最大 47 TOPSと高いです。ただし、GeForce RTX 4050 Laptopのような独立GPUと比較すると、AI TOPSは低いです。
~ NPU性能の評価 ~
ストレージ
ストレージは、PCIe Gen 4 SSDを搭載しており、比較的速いです。
~ ストレージ性能の評価 ~
SDカードスロット
SDカードスロットはありません。
その他のベンチマーク
その他のベンチマークスコアについては、こちらのリンク先をご覧ください。
クリエイターソフトの処理時間
次に、クリエイターソフトを使って、重い処理を実行したときにかかった時間を掲載します。
Lightroomの書き出しは、Core Ultra 7 155Hよりも速かったです。
※1 書き出しにGPUを使用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「スーパーズーム」は、本来GPUも使って処理しますが、Core Ultra シリーズ2にはまだ対応していないのか、内蔵GPUが使われず遅かったです。
「JPEGのノイズを削除」の処理はまずまずの速さです。
GPU性能が高いこともあり、FHD動画の書き出しは速かったです。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートは、Thunderbolt4に対応しており、多くの機器を使うことができます。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
100W Anker PowerPort III | ○ | ― | ― |
65W Lenovo GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 (4Kモニター) |
○ | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
HDMIポートはありません。
質量のチェック
XPS 13 9350の質量のチェックです。
仕様では、OLEDモデルが1.18kg、それ以外が1.22kgとなっています。今回レビューしたのはOLEDモデルでしたが、1.206kgと仕様値よりもやや重かったです。持ち運び用に作られたモバイルノートPCのの中では普通の重さです。
付属のACアダプターは普通の重さです。
質量 | |
PC本体 | 1.206kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 256g |
バッテリー駆動時間のチェック
XPS 13 9350のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は55Whとなっており、やや大きい容量です。
JEITA3.0計測法によるバッテリー駆動時間は、仕様表には掲載されていませんでしたが、リリースノートには「最大26時間:ストリーミングをフルHD+で視聴可能なバッテリー持続時間」と書かれています。
当サイトで計測したバッテリー駆動時間は、下表です。インテル Core Ultraシリーズ2を搭載しているだけあって、長いバッテリー駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) YouTube動画再生時 | 14時間43分 |
(2) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 9時間8分 |
(2) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
WebカメラはFHD画質で、映りも比較的綺麗です。IRカメラは付いていますが、プライバシーシャッターは付いていません。
スピーカー
スピーカーは、本体底面の左右に、合計8Wのツイーター+ウーファーが搭載されています。音質は比較的良く、ノートPC基準で10点満点6~7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。なお、Core Ultra 7 258Vのプロセッサーのベースパワーは17Wです。
CPU電力は、「最適化」モードの場合は20W強、「超高パフォーマンス」モードの場合は30W以上で推移しており、高めのCPU電力です。
CPU温度は、「最適化」モードであれば70℃台と低めの温度です。「超高パフォーマンス」モードの場合は80℃台とやや高めですが、問題ない範囲でしょう。
静音性のチェック
動作音は比較的静かです。動作音を気にせず作業ができるでしょう。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
約20dB | 約20dB | 約22dB | 約35dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
高い負荷をかけると、パームレスト部分の温度がやや上がり、暖かさを感じますが、そこまで気にはなりません。
底面は全体的に熱くなるので、低温火傷には気を付けましょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
インテル Core Ultraシリーズ2を搭載しているだけあり、低めの消費電力です。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
4W | 6W | 15W | 27W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
XPS 13 9350の外観のチェックです。
削りだしアルミニウムとGorilla Glass 3を採用した、耐久性に優れたボディで、見た目もいいです。
天板には、「DELL」のロゴがあります。
高さは、OLEDモデルの場合は14.80mmで、それ以外は15.3mmです。どちらも薄いです。
側面のポート類は、Thunderbolt4が2つあるだけです。
ヒンジが開く最大の角度は、下図の通りです。
指紋認証装置は、電源ボタンに統合されています。
底面に吸気口はなく、側面にあります。
内部はご覧のようになっています。冷却ファンは2つで、太めのヒートパイプが搭載されています。MacBookのような綺麗な内部です。
SSDは換装できそうです。
ACアダプターは60Wです。
まとめ
以上が、XPS 13 (9350)のレビューです。
インテル Core Ultraシリーズ2を搭載し、CPUのシングルコア性能、GPU性能、NPU性能がアップし、バッテリー駆動時間が大きく延びました。モバイルノートPCですが、クリエイティブワークなどがやりやすくなったと思います。
また、近未来的なデザインも特徴的です。CNC加工の削り出しアルミボディに、タイルを敷き詰めたようなキーボード、パームレストとの境目のないタッチパッド、タッチ式のファンクションキーなど、デザイン性に優れています。
ただし、キーとキーの隙間が狭いので、隣のキーを誤っておしてしまうことがあります。また、ファンクションキーがタッチ式なので、見ないで打ちにくいです。ただ、慣れればそこまで使いにくくもありません。
ポート類がThunderbolt4しかないので、それ以外のポートを使うときは変換アダプターが必要となるため、ご注意下さい。
Core Ultra 2で性能アップ
XPS 13 (9350)
特徴
- インテル Core Ultra シリーズ2で性能アップ
- バッテリー駆動時間が長い
- 近未来的なデザイン
こんなあなたに
- 性能だけでなく、デザインにもこだわりたい方
- 価格26万円台~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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